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人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)とは?CCUSで技能者の処遇改善を助成する制度を解説

福田聞き手
白石さん、今回は「人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)」です。名前が長いのですが、建設業向けの制度でしょうか。
白石みなと補助金活用アドバイザー
はい、対象業種は建設業です。公募情報の言葉を引くと、「建設キャリアアップシステム等(CCUS等)を活用した雇用管理改善に取り組む中小建設事業主、CCUS等の普及促進に取り組む建設事業主団体に対して、必要な助成を行う」制度とされています。「雇用管理改善促進事業」と「普及促進事業」の2つの事業で構成されていて、前者は個々の中小建設事業主が対象、後者は建設事業主団体が対象です。対象者も助成額の仕組みもまったく別物なので、順番に見ていきましょう。
福田
そもそも、この助成金は何のためにあるんでしょうか。
白石みなと
公募情報の目的の章には、「建設技能者の処遇改善やキャリアパスの明確化を図り、若年者等の建設業への入職・定着促進による担い手の確保、魅力ある労働環境づくりに向けた基盤整備及び職業能力開発の促進に資する」ためとされています。担い手不足に悩む建設業で、待遇を見える化して若い人材の入職・定着につなげる、という狙いだと読めます。
福田
その前に、「CCUS等」というのが何なのか教えてください。
白石みなと
公募情報では「建設キャリアアップシステム(CCUS)」「建設技能者の能力評価制度(能力評価)」「専門工事企業の施工能力等の見える化評価制度(見える化評価)」の総称とされています。CCUSは一般財団法人建設業振興基金が提供するサービスで、工事現場における建設工事の施工に従事する者や建設業を営む者に関する情報を登録・蓄積し、それらの情報を利用に供するものです。技能者一人ひとりの経験や資格が記録され、業界内で参照できる仕組みだと理解しておくとよいと思います。
福田
まず全体像をお願いします。
項目 内容
制度名 人材確保等支援助成金(建設キャリアアップシステム等活用促進コース)
実施機関 厚生労働省
対象業種 建設業
助成率 雇用管理改善促進事業は建設技能者1人あたり16万円(定額)/普及促進事業は対象経費の3分の2(中小建設事業主団体以外は2分の1
助成上限額 雇用管理改善促進事業は1事業所・一の年度で160万円/普及促進事業は団体区分により最大3,000万円
対象者 中小建設事業主(雇用管理改善促進事業)及び建設事業主団体〈都道府県団体・全国団体・地域団体等〉(普及促進事業)
対象地域 全国
受付期間 一律の公募締切日はなく、事業ごとに計画届の提出期限が定められている
福田
まず「雇用管理改善促進事業」から教えてください。対象はどんな会社ですか。
白石みなと
中小建設事業主です。雇用保険の適用事業所単位で判定される点がポイントで、法人単位ではなく事業所ごとに見ます。ただし公募情報に一人親方や同居の親族のみを使用して建設事業を行う者は対象外と明記されています。雇用している建設技能者がいることが前提の制度だとお考えください。
福田
支給を受けるための要件は。
白石みなと
2つあります。
# 支給要件(雇用管理改善促進事業)
雇用する全ての建設技能者について、建設キャリアアップシステムの技能者登録を完了していること
能力評価のレベル判定で昇格評定を受けた建設技能者について、賃金を増加させる旨を給与規程等に定めた上で、昇格評定を受けた日以降に5%以上増加させ、支払われていること
福田
①は「全員」登録なんですね。一部の人だけではだめだと。
白石みなと
そのとおりです。雇用する全ての建設技能者が対象で、一部の登録では要件を満たしません。②は、単に賃金を上げるだけでなく、給与規程等にその旨を定めたうえで昇格評定後に5%以上上げるという順序と幅の両方が指定されています。
福田
ほかに条件はありますか。
白石みなと
あります。支給申請書の提出日までの間に、対象事業を実施した事業所において雇用保険被保険者を事業主都合により離職させていないことも要件です。処遇改善と同時に雇用を維持することが前提の制度だと分かります。
福田
支給額はどう決まりますか。
白石みなと
算定対象となる建設技能者の数に16万円を乗じて得た額(定額)です。ただし一の対象事業所に対する一の年度の支給額の合計が160万円を超えるときは160万円が限度とされています。人数に比例して増えますが、年度あたりの上限があるとご理解ください。
福田
受付はいつからいつまでですか。
白石みなと
ここは他の助成金と違います。計画届の提出期間は、賃金の増額改定日の属する月の初日の6か月前から2か月前の前日までとされています。特定の年月日の締切ではなく、自社の賃金改定日を起点に逆算する期間です。
福田
賃金を上げる日から逆算するということですね。ここまでで「雇用管理改善促進事業」は理解できました。次に「普及促進事業」を教えてください。
白石みなと
こちらは建設事業主団体が対象です。公募情報では都道府県団体・全国団体・地域団体等の建設事業主団体、又は事業協同組合・商工組合等の要件を満たす団体とされています。個々の会社ではなく、業界団体向けの事業です。
福田
どんな取り組みが求められますか。
白石みなと
事業推進委員会及び事業推進員を設置したうえで、「事業計画策定・効果検証事業」と「CCUS等登録促進事業」の2つを行うことが要件です。CCUS等登録促進事業は必ず実施するとされています。事業推進委員会という体制を団体内につくったうえで、計画づくりから登録促進の実務までを一体で進める建て付けだと読めます。
福田
CCUS等登録促進事業とは具体的に何をするんですか。
白石みなと
構成中小建設事業主等(中小構成員等)が負担した、技能者登録・事業者登録・レベル判定手数料・見える化評価手数料等について、その全部又は一部を補助する取り組みです。団体が窓口となって、会員企業の登録費用を肩代わりするイメージです。
福田
団体側が使える経費の中身を教えてください。
白石みなと
細かく区分が決まっています。
対象経費 内容
人件費 事業推進員が業務に従事した時間の実費相当額(1人あたり年360万円を限度、最大3名まで)
委員謝金 委員1人1日あたり30,700円までの実費相当額(部外委員に限る)
旅費 実費相当額(グリーン料金・特1等・ファーストクラス/ビジネスクラスを除く鉄道賃・船賃・航空賃、バス賃、タクシー代)
宿泊費 1人1泊15,000円までの実費相当額
会議費 1人あたり150円までの実費相当額(茶菓の代価)
通信費・消耗品費 実費相当額
CCUS等登録促進事業の補助金 見える化評価の手数料は中小構成員等1者あたり50,000円が上限。技能者登録料・事業者登録料・レベル判定手数料は、それぞれの定める額を補助
福田
人件費は3名までなんですね。
白石みなと
はい。事業推進員は最大3名までで、1人あたり年360万円が上限です。旅費は移動手段ごとにグリーン車やファーストクラスなど上位クラスの利用分が除外されている点も、実費精算の考え方が細かく決まっている部分です。
福田
支給額と上限額を教えてください。
白石みなと
**対象経費の合計額の3分の2(中小建設事業主団体以外については2分の1)**が支給額です。上限額は団体の種類によって3段階に分かれています。
団体区分 支給上限額(一の年度あたり)
全国団体 3,000万円
都道府県団体 2,000万円
地域団体 1,000万円
福田
全国団体のほうが上限が高いんですね。
白石みなと
組織の範囲が広い団体ほど上限額が高く設定されています。ご自身の団体がどの区分に当たるかによって、目指せる上限額が変わってきます。
福田
普及促進事業の受付期間も教えてください。
白石みなと
計画届の提出期間は、事業を実施しようとする日の原則2週間前までとされています。あわせて提出は年度内1回までで、事業計画期間の重複する計画届の提出はできませんという制約もあります。
福田
2つの事業とも、締切が「◯月◯日まで」という形ではないんですね。
白石みなと
そうです。公募情報にも「いずれもjGrantsのような一律の公募締切日はありません」と明記されています。自社・自団体の賃金改定日や事業実施日を起点に、いつまでに計画届を出すかを逆算する必要がある制度だとご理解ください。
福田
問い合わせ先を教えてください。
白石みなと
公募情報にはこう案内されています。
項目 記載内容
問合せ先 事業所の所在地を管轄する都道府県労働局・ハローワーク
福田
共通のコールセンターではないんですね。
白石みなと
はい。管轄の都道府県労働局・ハローワークへの問い合わせが案内されており、共通の電話番号は記載されていません。まずは事業所所在地を管轄する窓口にご確認ください。
福田
最後に、正確な情報はどこで確認できますか。
白石みなと
厚生労働省が公開している資料が出典です。

https://www.mhlw.go.jp/content/11600000/001688283.pdf

福田
ありがとうございました。
白石みなと
本記事は厚生労働省の公開資料をもとにしています。制度の内容・要件・上限額は変更されることがありますので、申請前には必ず最新の資料をご確認ください

なお、対象になり得るかどうかは事業所の状況や団体の区分によって個別の判断になりますので、「対象です」と断定はできません。また、本助成金の支給申請書の作成代行・提出代行は社会保険労務士の独占業務です。当方では申請書の作成・提出の代行は行っておりません。制度情報の提供と、必要に応じた社会保険労務士のご紹介までとさせていただきます。

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この制度は全国が対象で、特定の自治体の企業に絞った制度ではありません。そのため、同一自治体の他制度からの案内はできませんでしたが、代わりに同じ厚生労働省が実施する人材・雇用関連の助成金を紹介します。

白石みなと
いずれも厚生労働省の助成金ですが、対象になる要件はこの制度とはそれぞれ異なります。対象になり得るかは、各制度のページで個別にご確認ください。併用の可否は各制度の実施機関にご確認ください。
制度名 実施機関 上限額 リンク
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