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人材開発支援助成金とは|人材育成・研修に使える助成金10選

公開日 2026-08-23 / 最終更新日 2026-09-18

人材開発支援助成金とは|人材育成・研修に使える助成金10選
福田(聞き手)
白石さん、「社員に研修を受けさせたい」「訓練の費用を助成してもらえないか」という相談は多いのですが、どこを見ればいいんでしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
候補になる公的な助成金の多くは厚生労働省の雇用関係助成金です。九州AIナビに収録している制度のうち、いま募集中で、社員の育成・研修に関わると当社が判断したものは10件あります。今回はその10件を1か所に並べます。
福田
九州の会社でも使えるものですか。
白石みなと
いずれも全国共通の制度で、九州の企業にもそのまま使えます。制度名を知らない状態からでも「自分の会社はどれに当てはまりそうか」を見当づけられるようにするのが目的です。

まず「訓練費用を助成してほしいか」「制度を作りたいか」で分ける

福田
10件もあると、どこから手をつけていいか分かりません。
白石みなと
同じ「人材育成に使える助成金」でも、この10件は助成の対象が大きく分かれます。まずここで半分に切ってください。
  • 訓練そのものの費用を助成するもの(1・2・3・5・8・9番) 講師への謝金や受講料など、訓練にかかった経費の一部と、訓練期間中の賃金の一部を 助成率に応じて支給する仕組みです。訓練を実施するたびに申請できます。
  • 研修を受けやすくする「制度」「環境」を新しく作ることを助成するもの(4・6・7・10番) 教育訓練休暇制度やテレワーク制度、雇用管理制度など、社内の仕組みを新しく整備した ことに対して定額で支給する仕組みです。制度導入時に一度、または達成状況に応じて支給されます。
福田
自分がどちらか、ひと言で見分けるとしたら。
白石みなと
「今すぐ受けさせたい訓練の費用を助成してほしい」なら前者、「研修を受けやすい仕組みを社内に整えたい」なら後者から見てください。

一覧でくらべる

福田
では10件を一覧で見せてください。
福田
「何に対して出るか」の欄は、ひとつ前で分けた2つですね。
白石みなと
そうです。まずこの欄で半分に切ってから、上限額を見てください。上限額だけで並べ替えると、自社では使えない側の制度を先に読むことになります。
福田
締切の欄はないのですか。
白石みなと
10件とも「受付期間の記載なし」で、並べても差がつかないため、表には入れていません。ただし、いつでも申請できるという意味ではありません。どの制度もjGrantsのような一律の公募締切日はなく、訓練の実施時期や制度導入時期に応じて提出期限が個別に決まる方式です。多くは訓練を始める前に計画届を出す必要があるので、やることが決まってからでは間に合わない場合があります。提出期間の考え方は訓練計画届の記事にまとめており、開始日から逆算する提出期間カリキュレータも用意しています。
福田
上限額の1億円というのは。
白石みなと
上限額は「その制度で受け取れる最大額」であって、必ずその額が出るという意味ではありません。

1. 人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)

福田
1番から順にお願いします。
白石みなと
新しい分野へ事業を広げる際の訓練や、社内のDX化・GX化に関連する業務に必要な知識・技能の習得を対象にした制度です。ここは最近ルールが変わったので注意してください。令和8年8月3日の改正で、生成AIの汎用的なプロンプトの学び方だけの訓練は対象外となった一方、特定の業務に生成AIを具体的に適用する訓練は引き続き対象です。
  • 経費助成:75%(大企業は60%)
  • 賃金助成:1人1時間当たり1,000円(大企業は500円)
  • 設備投資加算:50%(中小企業のみ)
  • 訓練の受講回数:1労働者につき1年度で3回まで
  • 上限額:1億円(1事業所1年度あたり)
  • 受付期間の記載なし。訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出します
福田
「AI研修をやります」だけでは通らない、ということですね。
白石みなと
そうです。自社のどの業務にどう使うのかを書けるかどうかが分かれ目になります。詳しくはこの制度の解説記事と制度データをご覧ください。

2. 人材開発支援助成金(人への投資促進コース/高度デジタル人材訓練・成長分野等人材訓練)

福田
AI・DXの人材を育てたい会社が、まず見るべきものはどれですか。
白石みなと
この10件の中で、AI・DX関連の高度人材の育成に最も直接的に使えるのがこれです。高度なデジタル人材の訓練と、成長分野の人材訓練(大学院での訓練を含む)が対象になります。
  • 高度デジタル人材訓練:経費助成75%(大企業は60%)、賃金助成は1人1時間当たり1,000円(大企業は500円)
  • 成長分野等人材訓練:経費助成75%、国内の大学院で受講する場合は賃金助成1,000円
  • 上限額:2,500万円(人への投資促進コース全体。成長分野等人材訓練のみ別枠で1,000万円)
  • 受付期間の記載なし。訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出します

詳しくはこの制度の解説記事と制度データをご覧ください。

3. 人材開発支援助成金(人への投資促進コース/情報技術分野認定実習併用職業訓練)

福田
3番は2番と名前がよく似ていますね。
白石みなと
上の2番と同じ「人への投資促進コース」ですが、中身は別のメニューです。こちらは情報処理・通信技術者の職種に関わる訓練が対象です。座学(OFF-JT)と、実際の仕事を通じた訓練(OJT)を組み合わせる形が想定されており、対象は15歳以上45歳未満のIT分野未経験者等です。
  • 経費助成率:60%(大企業は45%、資格等手当要件達成でさらに+15%)
  • 賃金助成:1人1時間当たり800円(大企業は400円)
  • OJT実施助成:20万円(大企業は11万円)
  • 上限額:2,500万円(同じ人への投資促進コース内の他メニューと合算した上限)
  • 受付期間の記載なし。訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出します
福田
年齢の条件があるんですね。
白石みなと
未経験者を採ってIT職として育てるという筋書きの制度です。すでにいる社員のスキルアップとは別物なので、ここを間違えると計画届の段階で戻されます。詳しくはこの制度の解説記事と制度データをご覧ください。

4. 人材確保等支援助成金(テレワークコース)

福田
4番から「制度を作る」ほうに入りますか。
白石みなと
そうです。まず中小企業事業主のみが対象の助成金です。訓練費用ではなく、テレワーク勤務を制度として導入し、就業規則の整備や労務管理担当者・労働者への研修などを行い、離職率の低下という成果を上げた場合に定額で支給されます。機器やシステムの導入費用そのものを助成する規定は確認できませんでした。
  • 制度導入助成:20万円(定額)
  • 目標達成助成:10万円(賃金要件を満たす場合15万円)
  • 上限額:35万円
  • 受付期間の記載なし。評価期間(3か月間)終了後2か月以内に支給申請します
福田
テレワークの機材代が出ると思っている方は多そうです。
白石みなと
そこが最大の誤解です。この制度は「制度を作って、離職率が下がったか」を見るもので、パソコンや通信環境の費用を賄うものではありません。制度の詳細は制度のページをご覧ください。

5. 人材開発支援助成金(人材育成支援コース)

福田
5番は訓練費用のほうに戻りますね。
白石みなと
職務に関連した知識・技能を習得させる訓練(人材育成訓練)のほか、認定実習併用職業訓練、有期実習型訓練、中高年齢者実習型訓練の4つのメニューをまとめたコースです。助成率・助成額はメニューごとに異なります。
  • 経費助成率:45%(大企業30%)〜75%(メニューにより異なり、資格等手当要件達成でさらに+15%〜+25%)
  • 1労働者の申請回数:一の年度で3回まで
  • 上限額:1,000万円(1事業所・1事業主団体等の一の年度あたり、コース内の全メニュー合計)
  • 受付期間の記載なし。訓練開始日の6か月前から1か月前までに計画届を提出します

詳しくはこの制度の解説記事と制度データをご覧ください。

6. 人材開発支援助成金(教育訓練休暇等付与コース)

福田
6番はどういう制度ですか。
白石みなと
3年間に5日以上取得できる有給の教育訓練休暇制度を新しく導入し、労働者が実際に取得して教育訓練を受けた事業主が対象です。訓練費用の実費助成ではなく、制度を導入・運用した実績に対して1事業主1回限り支給される仕組みです。
  • 制度導入・実施助成:30万円(賃金要件または資格等手当要件を満たす場合は+6万円)
  • 上限額:36万円
  • 受付期間の記載なし。制度導入・適用計画期間の初日から起算して6か月前から1か月前までに計画届を提出します
福田
1回限りというのは、会社として一度きりということですか。
白石みなと
はい。毎年もらえる性質のものではありません。詳しくはこの制度の解説記事と制度データをご覧ください。

7. 65歳超雇用推進助成金(高年齢者評価制度等雇用管理改善コース)

福田
7番は高年齢者向けに見えますが、研修の記事に入っているのはなぜですか。
白石みなと
高年齢者の雇用を推進するための雇用管理制度(賃金・人事処遇、労働時間、在宅勤務、研修、健康管理など6区分のいずれか)を導入・改善した事業主が対象で、この6区分に「研修」が含まれているためです。運営は独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)です。措置に資する機器・システム・ソフトウェア等を導入した場合は、経費への上乗せもあります。
  • 雇用管理制度の導入:区分に応じた定額(23万円〜60万円)
  • 機器等を導入した場合:経費(上限50万円)の60%(中小企業以外は45%)を上乗せ
  • 上限額:90万円
  • 受付期間の記載なし。雇用管理整備計画は開始日の6か月前から3か月前までに申請します

制度の詳細は制度のページをご覧ください。

8. 人材開発支援助成金(人への投資促進コース/定額制訓練)

福田
最近は研修も「受け放題」のサービスが増えていますが、ああいうものは対象になりますか。
白石みなと
まさにそれが8番です。サブスクリプション型の「定額受け放題研修サービス」を助成対象にするメニューです。受講管理システム(LMS)で進捗管理が行える、eラーニングによる訓練が対象です。
  • 経費助成率:中小企業60%(賃金要件・資格等手当要件を満たした場合+15%)、大企業45%(+15%)
  • 受講時間の要件:合計10時間以上
  • 上限額:2,500万円(人への投資促進コース〈成長分野等人材訓練除く〉全体の1事業所1年度あたりの限度額。このメニュー単独の枠ではなく、同じコース内の他メニューと合算した上限)
  • 受付期間の記載なし
福田
進捗管理ができること、というのが条件なんですね。
白石みなと
契約しただけでは足りません。誰が何時間受けたかを記録として出せるかが要件になります。詳しくはこの制度の解説記事と制度データをご覧ください。

9. 人材開発支援助成金(人への投資促進コース/自発的職業能力開発訓練)

福田
9番はどうでしょう。
白石みなと
労働者が自発的に受講した訓練の費用を、事業主が「自発的職業能力開発経費負担制度」に基づいて負担した場合の助成です。業務命令で受講する訓練は対象になりません。
  • 経費助成率:中小企業・大企業共通45%(賃金要件・資格等手当要件を満たした場合+15%)
  • 受講時間の要件:10時間以上(1コースあたり。eラーニング・通信制は標準学習時間10時間以上、または標準学習期間1か月以上)
  • 上限額:300万円(1事業所1年度あたり。人への投資促進コース全体の限度額に達していない場合でも300万円が限度)
  • 受付期間の記載なし
福田
「会社が受けさせる」のではなく「社員が自分で受ける」ものだと。
白石みなと
そこが1番から5番までとの決定的な違いです。社員の手挙げを支える制度だと考えてください。制度の詳細は制度のページをご覧ください。

10. 人材開発支援助成金(人への投資促進コース/長期教育訓練休暇等制度)

福田
最後の10番をお願いします。
白石みなと
30日以上の長期の教育訓練休暇制度、または所定労働時間の短縮等を行う「教育訓練短時間勤務等制度」を新しく導入する事業主向けの助成です。
  • 長期教育訓練休暇制度の賃金助成:1人1時間当たり1,000円(大企業800円、賃金要件を満たす場合+200円)
  • 制度導入助成:20万円(賃金要件等を満たす場合+4万円)。事業主単位で一度限り
  • 上限額:24万円
  • 受付期間の記載なし
福田
6番の教育訓練休暇と、どう違うんですか。
白石みなと
日数が違います。6番は3年間で5日以上、10番は30日以上です。大学院に通う、長期の研修に出すといった規模の話になると10番の側です。制度の詳細は制度のページをご覧ください。

どれから見ればよいか

福田
10件聞きましたが、まだ選べません。順番を教えてください。
白石みなと
迷ったら、次の順で考えると絞りやすくなります。
  1. 今すぐ実施したい訓練があるかで分ける。 すでに実施したい訓練が決まっているなら、 訓練費用を助成する1・2・3・5・8・9番を見てください。
  2. 社内の「制度」を先に整えたいなら4・6・7・10番。 テレワーク制度、教育訓練休暇制度、 高年齢者向けの雇用管理制度など、まず仕組みを作ることが目的の場合はこちらです。
  3. 対象になる企業規模を確認する。 4番(テレワークコース)は中小企業事業主のみが対象です。 それ以外は中小企業・大企業のどちらも対象ですが、助成率・助成額が企業規模で異なります。
福田
最後に、ここに出ていない制度も見たい場合は。
白石みなと
研修・訓練という目的で横断して見たい場合は人材育成・研修に使える補助金・助成金が入口になります。生成AI研修が対象になるかどうかの考え方だけを先に知りたい場合はAI研修・生成AI研修に助成金は使えるのかにまとめています。福岡県内の制度をもっと広く見たい場合は福岡県の補助金・助成金、募集終了分も含めて条件で絞り込みたい場合は制度の一覧から探せます。

掲載内容についての注意

  • 金額・助成率・要件は、いずれも掲載元の資料から取り込んだ時点の値です。 制度の内容は改正されるため、申請を検討される際は必ず各実施機関の公式情報で 最新の内容をご確認ください。
  • 実際に対象になるかどうかは、事業内容や訓練の内容、事業主の要件によって変わります。 この記事は「対象になり得る制度」を並べたもので、対象になることをお約束するものではありません。
  • 雇用関係助成金の申請書作成・提出代行については、社会保険労務士等の有資格者へご相談ください。 補助金・助成金の種類によって対応できる専門家が異なります。当社は制度情報の提供を行い、 申請書類の作成・提出代行は行いません。制度の詳しい要件確認や申請支援が必要な場合は、 社会保険労務士へのご相談をおすすめします。

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