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ものづくり補助金とは?2026年9月時点で申請できる回がない

ものづくり補助金とは?2026年9月時点で申請できる回がない

制度概要

募集終了
対象地域
全国
主な対象者
日本国内に本社と補助事業の実施場所を有し、応募申請時に常時使用する従業員が1人以上いる中小企業者・小規模事業者等(特定非営利活動法人・社会福祉法人を含む。役員は常時使用する従業員に含まれない)

対象となる可能性がある事業者の例です。詳細な要件は本文および公式ページでご確認ください。

補助率
2分の1(小規模企業・小規模事業者および再生事業者は3分の2)
上限額
3,000万円(グローバル枠)/製品・サービス高付加価値化枠は従業員数に応じて750万〜2,500万円
申請期限
2026年5月8日まで

公開日 2026-09-09 / 最終更新日 2026-09-09 / 情報確認日 2026-09-09 / 公式ページを見る

1. 結論から:いま申請を受け付けている回はありません

白石みなと(補助金活用アドバイザー)
最初にいちばん大事なことをお伝えします。ものづくり補助金は締切回ごとに区切って募集する制度で、直近の第23次締切は2026年5月8日17時で受付を終えました。採択結果も2026年8月7日に公表されています。そのうえで、2026年9月9日時点の公式サイトに第24次の公募開始は告知されていません。いま思い立って申請書を出せる回が存在しない状態です。
福田(聞き手)
検索するとたくさん解説が出てくるので、てっきりいつでも出せるものだと思っていました。
白石みなと
そう見えてしまうのが厄介なところです。解説記事は過去の回のまま残りますし、制度そのものが廃止されたわけでもないので、募集していないという事実だけが情報として流れてきません。国の電子申請システムであるjGrantsの掲載でも、受付終了日の欄に事業の実施期限と同じ日付が入っている回があり、機械的に見ると募集中に見えてしまいます。
福田
募集が止まっているのは、制度の人気が落ちたということでしょうか。申請する会社は減っているのですか。
白石みなと
申請の数は実際に大きく減っています。第18次は5,777者が申請していましたが、第23次は1,275者です。5回で5分の1近くまで落ちました。ただし採択率は3割台で安定していて、通りにくくなったという説明は数字と合いません。減ったのは応募のほうです。次の申請者数と採択者数は公式サイトの公表値で、採択率は私がその2つを割ったものです。
締切回 採択発表日 申請者数 採択者数 採択率(計算値)
18次 2024年6月25日 5,777 2,070 35.8%
19次 2025年7月28日 5,336 1,698 31.8%
20次 2025年10月27日 2,453 825 33.6%
21次 2026年1月23日 1,872 638 34.1%
22次 2026年4月30日 1,552 582 37.5%
23次 2026年8月7日 1,275 448 35.1%
福田
通りやすさは変わっていないのに、応募だけが減っているのですね。何が起きているのでしょうか。

2. 「設備を入れて生産性を上げる補助金」ではありません

白石みなと
理由が公表されているわけではないので、私の見立てとしてお話しします。第23次の公募要領は、支援する対象を革新的な新製品・新サービス開発と定めたうえで、既存の製品・サービスの生産等のプロセスについて改善・向上を図る事業は補助対象外だと明記しています。さらに、単に機械装置・システム等を導入するにとどまり、新製品・新サービスの開発を伴わないものは該当しないとも書かれています。
福田
うちの工場に新しい機械を入れて不良を減らしたい、という話は対象にならないのでしょうか。
白石みなと
その機械が新しい製品や新しいサービスを生み出すために要るのなら対象になり得ます。けれど、いまと同じものをより速く安く作るための入れ替えであれば、要領の言葉どおり対象外です。加えて、同業の中小企業者等ですでに相当程度普及している新製品・新サービスの開発も該当しないとされています。よそが当たり前にやっていることを自社で始める、という組み立ても通りません。
福田
では、機械を入れて人手を減らしたいという相談は、どこへ持っていけばよいのでしょうか。
白石みなと
省力化や人手不足への対応であれば中小企業省力化投資補助金、業務のデジタル化であればデジタル化・AI導入補助金というように、別の制度が受け皿になっています。名前が似ているので同じ棚に並んで見えますが、審査で見るものが違います。ものづくり補助金の枠は次の2つで、どちらも新製品・新サービスの開発か、海外需要の開拓が前提です。
枠 対象の取組 補助上限額 補助率 補助事業実施期間
製品・サービス高付加価値化枠 革新的な新製品・新サービス開発に必要な設備・システム投資等 従業員数に応じて750万〜2,500万円(下限100万円) 中小企業2分の1/小規模企業・小規模事業者・再生事業者3分の2 交付決定日から10か月
グローバル枠 海外事業を実施し、国内の生産性を高める取組に必要な設備・システム投資等 3,000万円(下限100万円) 中小企業2分の1/小規模企業・小規模事業者3分の2 交付決定日から12か月

3. いくら出るのかは、従業員数で変わります

福田
金額の話に移らせてください。上限が750万円から2,500万円まで幅があるのは、なぜでしょうか。
白石みなと
高付加価値化枠は従業員数で上限が段になっているからです。人数が多いほど上限も上がります。下限も決まっていて、補助金額が100万円に届かない計画は申請できません。どちらの枠でも機械装置・システム構築費が必須の経費です。次の表の引上げ額は、大幅な賃上げに取り組む場合の最大値で、自動的に付くものではありません。
常時使用する従業員数 高付加価値化枠の補助上限額 大幅な賃上げの特例による引上げ(最大)
1〜5人 750万円 100万円
6〜20人 1,000万円 250万円
21〜50人 1,500万円 1,000万円
51人以上 2,500万円 1,000万円
福田
従業員が0人、つまり役員だけでやっている会社でも、申請はできるのでしょうか。
白石みなと
できません。補助対象者は常時使用する従業員の数が1人以上と定められていて、しかも役員は常時使用する従業員に含まれません。要領は、1人あたり給与支給総額を増やす要件があるため、対象となる給与が存在しない場合は申請できないと説明しています。日雇労働者、2か月以内の期間を定めて使用される方、試用期間中の方も人数には入りません。

4. 上限を上げる特例と補助率を上げる特例は、両取りできません

福田
特例が2つあるとのことでした。どちらも使えば、上限も補助率も上がるのでしょうか。
白石みなと
それはできません。大幅な賃上げに係る上限額引上げの特例と、最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例は互いに排他です。小規模企業・小規模事業者と再生事業者も最低賃金の特例を使えません。後者は、地域別最低賃金に近い水準で雇っている従業員が30%以上いた月が3か月以上あることが条件で、満たせば補助率が3分の2に上がる代わりに、次に出てくる基本要件③が外れます。

5. 賃上げの目標は「達成できなければ返す」約束です

福田
いま基本要件という言葉が出ました。これは申請のときだけ満たせばよいものでしょうか。
白石みなと
いいえ、多くは補助事業が終わったあとの話です。基本要件は補助事業終了後3〜5年の事業計画を立てて達成する約束で、年数は申請者が選べます。付加価値額と給与を毎年伸ばし、事業所内最低賃金を高い水準に保つ。従業員21名以上ならもう一つ加わります。重いのは、このうち2つは未達なら補助金を返すと明記されている点です。
基本要件 内容 未達だったときの扱い
①付加価値額の増加 事業者全体の付加価値額(営業利益・人件費・減価償却費の合計)を年平均成長率3.0%以上増やす 返還の定めなし
②賃金の増加 従業員1人あたり給与支給総額を年平均成長率3.5%以上増やし、交付申請時までに全従業員と従業員代表者へ表明する 未達成率に応じて返還。年平均成長率がゼロまたはマイナスなら全額返還
③事業所内最低賃金水準 主たる実施場所で最も低い賃金を、毎年、地域別最低賃金より30円以上高くする 補助金交付額を事業計画期間の年数で割った額を返還
④仕事・子育て両立(従業員21名以上のみ) 次世代法に基づく一般事業主行動計画を策定し「両立支援のひろば」で公表する 応募時の要件。交付申請時までに公表することが必要
福田
返還というのは全額でしょうか。それとも、足りなかったぶんだけで済むのでしょうか。
白石みなと
要件ごとに計算式が決められています。給与のほうは交付額に未達成率を掛けた額で、年平均成長率がゼロかマイナスなら全額返還です。付加価値額が増えておらず、かつ事業計画期間の過半数が営業利益赤字だった場合や、天災など事業者の責めに帰さない理由がある場合は求めないという救いもあります。ただし従業員等への表明を欠いた場合は、金額の達成とは別に交付決定取消しと返還を求めると書かれています。

6. 経費には金額の線と、時間の線があります

福田
経費のほうで、みなさんがよくつまずくところはどこでしょうか。先に知っておきたいです。
白石みなと
線が2本あります。1本目は金額です。設備投資が必須で、単価50万円(税抜き)以上の機械装置等を必ず取得します。そして機械装置・システム構築費以外の経費は、総額で500万円(税抜き)までしか計上できません。グローバル枠なら1,000万円までです。2本目は時間で、交付決定日より前に発注・契約・購入を行った経費は、いかなる理由があっても補助対象外とされています。
福田
交付決定より前に注文してはいけない、というのはかなり厳しいですね。うっかりしそうです。
白石みなと
補助金に共通する原則で、ものづくり補助金でも例外は認めていません。採択の連絡が来てから交付決定までにも事務局の精査があり、その結果、交付決定額が申請額より減ることや全額が対象外になることもあります。支払いは補助事業者自身の名義の銀行振込で確認し、現金払いとクレジットカード払いは原則として不可です。単価50万円以上の物件等は、原則2者以上から同一条件で見積りを取る必要もあります。

7. 口頭審査は、社長がひとりで受けます

福田
審査は提出した書類だけで決まるのでしょうか。面談のようなものはありますか。
白石みなと
書面審査に加えて口頭審査があります。一定の基準を満たした事業者が対象で、オンラインで30分程度、外部有識者と質疑応答を行います。特徴的なのは対応者の制限です。要領は申請事業者自身である法人代表者1名が対応することと定め、事業計画書作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問など申請事業者以外の対応や同席は一切認めないと明記しています。
福田
もし同席していたことが分かってしまったら、どうなるのでしょうか。
白石みなと
申請を辞退したものとみなし、不採択とすると書かれています。審査対応者が本人でなかったと判明した場合は、交付決定等の取消しと補助金返還になることもあります。ほかにも、カメラをオンにして上半身を映すこと、イヤフォンとヘッドセットは使用不可、公共スペースでの受審は不可、接続不良で切れても再審査は行わないことが定められています。会議室の確保まで含めて準備してください。

8. 九州の採択は448者のうち39者でした

福田
九州の会社は、実際にどのくらい採択されているのでしょうか。数を見てみたいです。
白石みなと
第23次の採択者一覧が公表されているので、都道府県ごとに数えました。全国448者のうち、九州7県と沖縄を合わせて39者、全体の8.7%です。最も多い東京都が87者ですから、集中の度合いは相当なものです。県別の差も大きく、長崎県は0者でした。またグローバル枠の採択30者のうち、九州8県の会社は1社もありません。次の表は公式が県別に公表した数字ではなく、私が一覧を数えたものです。
県 第23次の採択者数 うちグローバル枠
福岡県 11 0
熊本県 9 0
大分県 8 0
沖縄県 6 0
佐賀県 2 0
鹿児島県 2 0
宮崎県 1 0
長崎県 0 0
福田
この数字は、九州の会社は不利だという意味に読んでよいのでしょうか。
白石みなと
そうは読めません。採択者数は申請者数に強く引きずられますが、公式は県別の申請者数を公表していないため、九州の採択率が全国と違うのかどうかは、この一覧からは分かりません。長崎県が0だったことも、申請が少なかったのか、申請はあったが通らなかったのかまでは判別できません。数字を見るときは、割り算の分母があるかどうかを先に確かめてください。
福田
採択されれば、そのまま補助金が受け取れると考えてよいのでしょうか。
白石みなと
そこにも段があります。採択されるのは補助金交付候補者としてで、そのあと交付申請を出し、事務局の精査を経て交付決定に至ります。公式が公表している交付決定状況では、第19次は1,698者が採択されて、交付決定は1,505者でした。193者、率にして1割強が交付決定に届いていません。集計基準日は2026年7月8日です。

9. 次の回に向けて、いまできること

福田
第24次があるとして、いまのうちにやっておけることは何でしょうか。優先順位も知りたいです。
白石みなと
3つあります。1つ目はGビズIDプライムのアカウント取得です。申請は電子申請だけで、発行に一定の日数がかかります。2つ目は、従業員21名以上の会社なら一般事業主行動計画の策定と公表です。要領は少なくとも申請締切の3週間前には準備を始めるよう促しています。3つ目は、自社の計画が新製品・新サービスの開発と言えるかを確かめることです。
福田
最後に、これから第24次を検討される方へ一言お願いします。
白石みなと
まず、公募が再開されたかどうかは必ず公式サイトのお知らせと公募要領で確かめてください。この記事の日付より後に第24次が始まっている可能性があります。そのうえで、金額の大きさよりも、3年から5年にわたる賃上げの約束を守り続けられるかを先に考えてください。なお当社は申請書類の作成や提出の代行は行いませんので、書類の作り方は認定経営革新等支援機関などの専門家にご相談ください。

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白石みなと
全国対象の制度のため、同一自治体の他制度は挙げられません。設備投資やデジタル化で並んで検討される国の制度を示します。対象者・要件・締切はいずれも異なります。
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