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補助金を使わないほうがよいのは、どんなときか

公開日 2026-10-03

補助金を使わないほうがよいのは、どんなときか

結論から

福田(聞き手)
補助金は使えるなら使ったほうが得だと思っていました。やめたほうがいい場合というのは、本当にあるのでしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
あります。補助金を「もらえるお金」とだけ見ると、判断を誤りやすいものです。使うかどうかは、お金の流れ、手間、目的、時期の4つで決めるのが安全です。どれかひとつでも合わなければ、使わない判断が正解になることがあります。

1. 支払いを先にまかなえるか

福田(聞き手)
お金の流れ、というのはどういうことでしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
補助金は後払いが基本です。先に自社で支払い、あとから受け取ります。交付が決まった時点で振り込まれるわけではありません。

つまり、支払いを先に全額まかなえないなら、その制度は原則として使えません。一部の制度では概算払い等が認められることがあるため、募集要領で支払い方法を確認してください。金融機関から借りて支払うという方法もありますが、借入の利息や返済の負担が、受け取る額より重くなることもあります。手元の資金で足りるかどうかを、最初に確かめてください。

2. 手続きの手間が、受け取る額に見合うか

福田(聞き手)
申請や報告は、そんなに負担になるものなのでしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
段階ごとに書類が続きます。事業計画の作成、見積もりの取り寄せ、交付後の実績報告、精算と、一つひとつは小さくても積み重なります。

受け取る額が小さいほど、手間が割に合わなくなります。社内に担当を置けないなら、外部の専門家に頼むことになります。その費用も計算に入れたうえで、受け取る額と比べてください。

3. 対象に合わせて、要らないものを買っていないか

福田(聞き手)
補助の対象になるように選ぶのは、普通のことだと思うのですが。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
普通のことです。ただ、対象になりそうな機械やシステムに合わせて、本当は必要ではないものを選んでしまうことがあります。

「補助が出るから買う」になった時点で、目的が入れ替わっています。業務の困りごとが先にあり、その解決に補助対象の経費が合うなら使う、という順番を守ってください。

4. 設備を手放せない期間があるか

福田(聞き手)
買ったあとに、何か縛りはあるのですか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
補助金で取得した設備には、制度ごとに定められた期間、目的外の使用や処分に制限がかかることがあります。売却や廃棄の前に、承認が必要になる場合もあります。

事業の先行きが読めないなら、その期間があなたの会社にとって重い縛りになるかを、先に考えてください。制限の期間と条件は制度ごとに違うので、募集要領の該当箇所で確認してください。

5. 決定を待つと、事業の開始が遅れないか

福田(聞き手)
申請してから決まるまでの間は、何もできないのでしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
交付が決まる前に発注や契約をすると、原則として対象外になります。制度によっては事前着手が認められるため、募集要領で確認してください。補助金を前提にすると、決定を待つあいだ事業そのものが止まってしまうことがあります。

需要の時期や取引先の都合で早く始めなければならないなら、自費で先に進めるほうが正解になる場合があります。補助金は、事業を止めてまで待つものではありません。

6. 今回使わなかったら、どうなるのか

福田(聞き手)
今回使わないと決めたら、その機会は失われてしまうのでしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
そうとは限りません。補助金は回を分けて募集されることが多く、今回見送っても、次の回に出せる場合が多くあります。

今回は見送り、次の公募に合わせて準備を整えるという選び方もできます。見送ったあいだに、要件を満たすための準備を進めておくと、次の機会に備えられます。

判断の目安

福田(聞き手)
ここまでの話を、ひと目で比べられる形にしていただけますか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
次の表で、どちらの欄が多いかを見てください。
見るところ 使うことを考えやすい 見送りを考えたほうがよい
資金 支払いを先に自社でまかなえる 借入に頼らないと支払えない
手間 担当を置け、受け取る額が手間に見合う 手続きの負担が受け取る額に見合わない
目的 困りごとが先にあり、対象経費が合う 対象に合わせて、買うものを選ぶことになる
時期 決定を待っても事業に支障がない 今すぐ着手しないと機会を失う
設備 処分制限を受け入れられる 一定期間内に売却や移転をする予定がある

よくある質問

Q. 補助金を使わないと、損になりませんか。 受け取れる額だけを見れば損に見えます。ただ、資金繰り、手間、事業の遅れまで含めると、使わないほうが得になることもあります。損得は、この3つを合わせて判断してください。

Q. 使わないと決めたあと、同じ制度を後から使えますか。 回を分けて募集される制度では、次の回に出し直せる場合があります。ただし、制度ごとに決まりが違うため、募集要領で確認してください。

Q. 判断に迷ったら、何を見ればよいですか。 募集要領の中で、補助対象の経費、交付決定の前にしてよいこと、取得した設備の扱いについて書かれた部分を見てください。ここを読むと、使うかどうかの判断材料がそろいます。

次に読む

判断のもとになる制度の基本は、次の記事で整理しています。

目的から制度を探す場合は、次のページからどうぞ。

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