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介護離職防止支援コース(両立支援等助成金)とは?4つの取組のどれか1つ

介護離職防止支援コース(両立支援等助成金)とは?4つの取組のどれか1つ

制度概要

対象地域
全国
主な対象者
中小企業事業主のうち、要介護状態にある家族を介護する労働者について、仕事と介護の両立支援プランに基づき介護休業の取得・復帰、両立支援制度の利用、業務代替体制の整備、介護休暇の有給化のいずれかに取り組んだ事業主(全国・全業種)

対象となる可能性がある事業者の例です。詳細な要件は本文および公式ページでご確認ください。

補助率
定額。詳細は本文参照
上限額
80万円(詳細は本文参照)
申請期限
データなし

公開日 2026-09-11 / 最終更新日 2026-09-11 / 情報確認日 2026-09-11 / 公式ページを見る

この助成金の結論

福田(聞き手)
白石さん、今日は「両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)」について教えてください。名前からすると、介護をしながら働く人を支える制度でしょうか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
はい。資料によると、この助成金は「仕事と介護の両立支援プラン」を策定した上で、プランに基づき労働者の円滑な介護休業の取得・復帰に取り組んだ場合や、仕事と介護の両立に資する制度を導入し利用者が生じた場合、介護休業や短時間勤務を行う労働者の業務を代替する体制の整備を行った場合に助成する制度です。支給対象となるのは中小企業事業主のみとされています。まず全体像を表にします。
項目 内容
制度名 両立支援等助成金(介護離職防止支援コース)
実施機関 厚生労働省
対象事業主 中小企業事業主のみ
対象業種 全業種
対象地域 全国
助成パターン 4つのパターンがあります(本文参照)
上限額 加算を含め最大80万円([1]介護休業のケース。本文参照)
受付期間 公募のような一律の締切日はなし(対象労働者の休業・制度利用のタイミングごとに申請期限が決まる)
福田
「パターンが4つ」というのが、この助成金の特徴のようですね。
白石みなと
そのとおりです。介護休業を取ってもらうだけでなく、短時間勤務などの制度を使ってもらう、休んだ人の穴を埋める、介護休暇を有給にするという、介護に直面した労働者を支える4つの場面それぞれに助成パターンが用意されています。1つずつ見ていきましょう。

対象になる事業者

福田
対象になる会社の条件を教えてください。
白石みなと
公募情報には、中小企業事業主であることが、どのパターンでも共通の入口の条件として明記されています。中小企業事業主に当たるかどうかは、業種ごとに資本金の額(または出資の総額)か、常時使用する労働者の数のいずれかで判定されます。具体的な金額・人数の基準は業種によって異なりますが、今回読み込んだ支給要領・Q&Aの範囲には基準の一覧表そのものは含まれていませんでした。同じ両立支援等助成金グループの6コース比較記事に基準表を掲載していますので、あわせてご確認ください。
福田
中小企業でありさえすれば、あとは何が条件になるんですか。
白石みなと
要介護状態にある家族を介護している労働者がいることが出発点です。「介護」の範囲にも決まりがあり、公募情報では「歩行、排泄、食事、入浴等の日常生活に必要な便宜を供与すること」とされています。単に「入院患者の話し相手になる」「電話で近況を尋ねる」といった対応は、この助成金でいう「介護」には当たらないと明記されています。
福田
自社の就業規則で、法律より手厚い介護休業制度を作っている場合はどうなりますか。
白石みなと
そこは注意が必要です。Q&Aでは、労働協約や就業規則で法律より対象家族や休業期間の範囲を広げていても、広げた範囲については助成金の対象にならないと明記されています。本助成金の対象となる対象家族や要介護状態の範囲は、育児・介護休業法が定める範囲内に限られます。

4つの助成パターンの全体像

福田
4つのパターンを、まず全体でつかみたいです。
白石みなと
表にします。
# パターン 内容
[1] 介護休業 仕事と介護の両立支援プランを作成し、プランに基づき介護休業を取得・職場復帰させた場合
[2] 介護両立支援制度 プランを作成し、プランに基づき仕事と介護の両立ができる制度(短時間勤務・在宅勤務等)を利用させた場合
[3] 業務代替支援 介護休業取得者・短時間勤務制度利用者について、代替要員の新規雇用(派遣含む)または手当支給等を行った場合
[4] 介護休暇制度有給化支援 有給の介護休暇制度を導入し、利用させた場合
福田
「仕事と介護の両立支援プラン」という言葉が、[1]と[2]の両方に出てきますね。
白石みなと
はい。このプランが、この助成金全体の土台です。対象家族の要介護の事実を把握した後、上司または人事労務担当者が対象労働者と少なくとも1回面談を行い、結果を記録した上で、休業や制度利用の前に作成するのが原則です。加えて、[1][2][3]には有期雇用労働者加算、[1][2][3]には環境整備加算という上乗せもあります。加算は後の章でまとめて説明します。

[1]介護休業の支給要件

福田
まず[1]介護休業から、詳しく教えてください。
白石みなと
主な要件は9つです。
# 要件
① 仕事と介護の両立支援プランにより労働者の介護休業等取得・職場復帰を支援するという方針を周知していること
② 対象労働者と面談等を行い、プランに記録した上で、プランを作成すること
③ プランに基づき、業務の整理、引き継ぎを実施していること
④ 対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得したこと
⑤ 介護休業制度及び所定労働時間の短縮等の措置を労働協約または就業規則に定めていること
⑥ 職場復帰後に介護休業取得者とフォロー面談を行い記録すること
⑦ 介護休業取得者を原職等に復帰させる旨を労働協約または就業規則に規定していること
⑧ 介護休業終了後、対象労働者を原則として原職等に復帰させ、3か月以上継続して雇用していること
⑨ 対象労働者を介護休業の開始日から支給申請日までの期間について、雇用保険被保険者として継続して雇用していること
福田
⑤は④より前に済ませておく必要がある、ということでしたね。
白石みなと
そのとおりです。介護休業を開始する前に、介護休業制度と所定労働時間の短縮等の措置を、労働協約または就業規則に定めておく必要があります。⑦の原職等復帰の規定も、対象労働者が職場復帰するまでに整備されていれば足ります。
福田
「連続5日以上」の数え方に、注意点はありますか。
白石みなと
あります。資料には「所定労働日数ベースでの連続日数」と明記されています。土日や祝日をはさんでも、所定労働日で数えて5日連続していれば要件を満たします。逆に、あらかじめ特定の曜日だけ出勤する予定を組んでいた場合は、介護休業ではなく別の制度(短時間勤務制度)として扱われる点は、後の章でも触れます。

[2]介護両立支援制度の支給要件

福田
[2]の「両立支援制度」というのは、具体的に何を指すんですか。
白石みなと
公募情報では、5つの制度が挙げられています。
# 制度 内容
(イ) 時差出勤制度 1日の所定労働時間を変えずに、始業・終業の時刻を1時間以上繰り上げ・繰り下げる制度
(ロ) 介護のための短時間勤務制度 1日の所定労働時間を1時間以上短縮する制度
(ハ) 介護のための在宅勤務制度 要介護状態の対象家族を介護するために在宅勤務等をさせる制度
(ニ) 介護のためのフレックスタイム制度 介護のための所定労働時間の短縮等の措置としてのフレックスタイム制度
(ホ) 介護サービス費用補助制度 労働者が利用する介護サービスの費用の全部または一部を事業主が補助する制度
福田
どれか1つ入れれば対象になりますか。
白石みなと
入れるだけでは足りません。[1]と同じくプランを作成した上で、(イ)〜(ニ)は同一の対象家族について合計20日間以上の利用実績、(ホ)は制度利用開始日から6か月以内に、費用の5割相当額以上または10万円以上を補助したことが必要です。
福田
20日間の数え方は、[1]の5日間と同じ考え方ですか。
白石みなと
同じです。所定労働日数ベースでの合計日数になります。ただし年次有給休暇を取得した日は、原則として制度利用実績の20日間には含めません。Q&Aによれば、1日の一部だけ有給休暇を取得し、出退勤時間や勤務実績から制度を利用したことが確認できる場合に限り、例外的に含められるとされています。
福田
父親と母親、2人を同時に介護している場合はどうなりますか。
白石みなと
ここは間違えやすいところです。Q&Aでは、父・母それぞれの介護で短時間勤務を10日ずつ、合計20日利用したケースについて、「同一の対象家族につき合計20日間以上」という要件のため、父・母での合算はできないと明確に否定されています。対象家族1人につき、単独で20日間の要件を満たす必要があります。
福田
同じ人が、同じ家族について、違う制度を2つ使ったらどうなりますか。
白石みなと
Q&Aによれば、同一の対象労働者・同一の対象家族でも、異なる複数の介護両立支援制度について要件を満たせば、合計2回まで支給対象になります。ただし3種類目の制度を利用しても、3回目は対象になりません。また、異なる制度を利用するたびに、制度ごとに新たな面談とプラン作成が必要です。

[3]業務代替支援の支給要件

福田
[3]の「業務代替支援」は、休んだ人の仕事を誰かが引き継ぐ場合ですね。
白石みなと
はい。3つの型に分かれます。
型 対象になる行為
新規雇用 介護休業取得者の業務を、新たに雇い入れた・新たに派遣された要員に代替させる
手当支給等(介護休業) 介護休業取得者の業務を、既存の労働者に代替させ、手当を支給する
手当支給等(短時間勤務) 短時間勤務制度利用者の業務を、既存の労働者に代替させ、手当を支給する
福田
「新規雇用」から詳しく教えてください。
白石みなと
主な要件は7つです。
# 要件
① 対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得し、継続して雇用保険被保険者であること
② 対象介護休業取得者の業務を代替する者を確保したこと
③ 代替要員は原則、対象労働者と同一の事業所及び部署で勤務すること
④ 代替要員の所定労働時間が、対象労働者の2分の1以上であること
⑤ 代替要員は新たな雇い入れまたは新たな派遣により確保する者であること
⑥ 代替要員の雇用・派遣契約の始期が、事業主が介護の事実を知った日または介護休業開始日の6か月前のいずれか遅い日以降であること
⑦ 介護休業期間の8割以上、代替要員が②〜④を満たして勤務したこと
福田
代替要員は、休んだ人の仕事を全部引き継がないといけないんですか。
白石みなと
そうとは限りません。Q&Aでは、介護休業取得者が複数の業務を兼務していた場合、代替要員はその一部のみを業務とする者でも差し支えないとされています。たとえばA・B・Cの3つの業務を兼務していた場合に、代替要員がAだけを引き継ぐケースでも対象になり得ます。
福田
「手当支給等(介護休業)」のほうは、何が要件になりますか。
白石みなと
新規雇用とは別の要件が5つあります。
# 要件
① 対象労働者が連続5日以上の介護休業を取得し、継続して雇用保険被保険者であること
② 業務代替者が、対象労働者の介護の事実を知る前から雇用されており、代替期間が休業日のうち連続5日以上あること
③ 業務の見直し・効率化に取り組み、既存の業務・事務分担を整理した上で代替業務の内容を業務代替者に説明していること
④ 代替業務に対応した賃金制度(業務代替手当等)を労働協約または就業規則に規定していること
⑤ ④の賃金制度に基づき、業務代替者の賃金が1人1日あたり500円以上または1か月あたり1万円以上のいずれか低い方の額以上増額されていること
福田
③の「業務の見直し・効率化」で、うちには部署の事務分担表なんて無いんですが、それでも対象になりますか。
白石みなと
その状態のままだと対象になりません。Q&Aでは、審査にあたって介護休業取得者と業務代替者が所属する部署または事業所全体の事務分担が確認できる書類が必要で、既存のものがなければ、作成する必要があると明記されています。申請のために後から作る、という順番になっても差し支えないということです。
福田
短時間勤務のほうの「手当支給等」も、同じ考え方ですか。
白石みなと
骨格は同じです。数字だけ変わります。対象労働者の短時間勤務の合計利用日数が15日以上であること、業務代替者の賃金増額が1人1日あたり150円以上または1か月あたり3千円以上のいずれか低い方の額以上であることが要件です。日数・金額とも、介護休業のケースより小さく設定されています。

[4]介護休暇制度有給化支援の支給要件

福田
[4]は、介護休暇を有給にすると助成が出る、という理解でよいですか。
白石みなと
そのとおりです。ただし要件は3つの性質を満たす休暇であることが必要です。
# 要件
(イ) 年次有給休暇を除く、有給の休暇(休暇取得時に年次有給休暇と同等の賃金が支払われるもの)であること
(ロ) 時間を単位として(時間未満単位も可)取得でき、始業・終業のいずれにも連続しない時間単位の取得も認める制度であること
(ハ) 1日の所定労働時間を変更することなく利用できるものであること

これらすべてを満たす内容を、令和8年4月8日以降に労働協約または就業規則に規定していることが必要です。さらに、支給申請日において、この制度を合計10時間以上利用した被保険者が在籍していることが要件です(配偶者や同一事業主に雇用される親族の取得時間との合算も可能)。

福田
以前からある「法律を上回る介護休暇制度」を使っていた会社は、そのまま申請できますか。
白石みなと
できない場合があります。Q&Aでは、令和7年度以前の「介護両立支援制度」の中にあった「介護休暇制度」を既に受給している場合は、この[4]は支給対象外と明記されています。制度の名前が似ているため、過去に別枠で助成を受けていないかどうかを、申請前に確認する必要があります。

支給額の内訳

福田
金額を整理してもらえますか。
白石みなと
基本額と上乗せ条件を表にします。
助成パターン 基本額 上乗せ条件
[1]介護休業 40万円 連続15日以上の休業で60万円
[2]介護両立支援制度(制度を1つ導入) 20万円 合計60日以上の利用で30万円
[2]介護両立支援制度(制度を2つ以上導入) 25万円 合計60日以上の利用で40万円
[3]業務代替支援(新規雇用) 20万円 連続15日以上の休業で30万円
[3]業務代替支援(手当支給等:介護休業) 5万円 連続15日以上の休業で10万円
[3]業務代替支援(手当支給等:短時間勤務) 3万円 上乗せなし
[4]介護休暇制度有給化支援 30万円 10日以上の有給休暇付与で50万円

いずれも、1事業主あたり支給要件を満たした労働者5人までが対象です([4]は1事業主1回限り)。

福田
これとは別に、加算の話もありましたね。
白石みなと
はい、2つあります。
加算 金額 対象パターン 回数の考え方
有期雇用労働者加算 10万円 [1][2]のみ 1事業主につき、[1][2]のどちらか1回限り
環境整備加算 10万円 [1][2][3] 1事業主につき1回限り

[4]介護休暇制度有給化支援には、この2つの加算のどちらも上乗せできません。[1][2][3]だけの仕組みです。

福田
「1回限り」というのは、[1]と[2]それぞれに10万円ずつではなく、合わせて1回ということですか。
白石みなと
そのとおりです。支給要領では、有期雇用労働者加算は「[1]または[2]の支給額に加算して支給する。1事業主当たり10万円(同一事業主についていずれか1回限り)」という定め方をしています。[1]と[2]の両方に該当しても、加算そのものが2回出るわけではありません。環境整備加算も同様に、[1][2][3]のどれに該当しても1事業主1回だけです。
福田
資料には「上限額80万円」ともありました。どういう組み合わせですか。
白石みなと
[1]介護休業を、連続15日以上の休業で申請した場合が土台です。
金額
[1]介護休業(連続15日以上) 60万円
+ 環境整備加算 10万円
+ 有期雇用労働者加算 10万円
合計 80万円

この助成金の中で、1件あたり到達しうる最大額がこの80万円です。[1]〜[3]はそれぞれ1事業主5人まで支給対象になり得るため、複数の労働者について申請すれば、1事業主が最終的に受け取る総額はこれを上回ることもあります。ただし、それは支給の積み重ねの結果であって、80万円に人数を掛け合わせる計算が制度上保証されているわけではない点にご注意ください。

有期雇用労働者加算に関する注意点

福田
有期雇用労働者加算について、もう少し詳しく教えてください。
白石みなと
対象労働者が有期雇用労働者(雇用契約期間の定めのある労働者)であることに加えて、対象となる介護休業または介護両立支援制度の利用を開始する日の前日から起算して過去6か月の間、雇用期間の定めのない労働者として雇用していないことが条件です。Q&Aでは、以前は無期雇用だった労働者が有期雇用に転換した直後のようなケースは、この6か月要件に照らして対象外になり得ると説明されています。
福田
雇入れ時の労働条件通知書を紛失していたら、どうなりますか。
白石みなと
Q&Aによれば、雇入れ時に有期雇用契約であることが明記された書類が一切存在しない場合、加算の支給対象にはなりません。雇入れ時の書類があり、その後の契約更新が口頭であっても、契約期間を確認できる他の帳簿の写しや、本人の申立書があれば支給対象として差し支えないとされています。最初の1通は残しておく必要がある、ということです。

申請の時期・申請先

福田
締切はいつになるんでしょうか。
白石みなと
この助成金には、jGrantsのような一律の公募締切日はありません。パターンごとに、対象労働者の休業・制度利用が一定の節目を迎えた時点から、申請できる期間が始まります。
パターン 申請できるようになる時点 申請期限
[1]介護休業 介護休業終了日の翌日から起算して3か月が経過した日の翌日 その日から2か月以内
[2]介護両立支援制度 制度利用実績が合計20日または60日(介護サービス費用補助制度は利用開始から6か月)に達した日の翌日から起算して1か月が経過した日の翌日 その日から2か月以内
[3]業務代替支援(新規雇用・手当支給等:介護休業) 対象労働者の介護休業終了日の翌日 その日から2か月以内
[3]業務代替支援(手当支給等:短時間勤務) 対象労働者の短時間勤務終了日の翌日 その日から2か月以内
[4]介護休暇制度有給化支援 制度を利用した被保険者の利用時間数が10時間に達した日の翌日 その日から2か月以内
福田
[1]は、休業が終わってすぐには申請できないんですね。
白石みなと
できません。休業終了日の翌日から3か月の継続雇用の実績を確認した上で、そこからさらに2か月の申請期間になります。休業が終わった直後に動き出すと早すぎますし、継続雇用3か月の確認を忘れて放置すると申請期限を過ぎます。カレンダーに、休業終了日を起点とした通知を入れておくことをおすすめします。
福田
郵送で出す場合の注意はありますか。
白石みなと
あります。資料には、郵送は配達記録が残るものに限り、消印の日付が申請期間内であっても、労働局への到達日が申請期限を過ぎていれば、期間内の申請とは認められないと明記されています。消印ではなく到達日で見られる点は、この助成金グループに共通する注意点です。
福田
申請先はどこになりますか。
白石みなと
人事労務管理の機能を有する部署が属する事業所(本社等)の所在地を管轄する都道府県労働局です。窓口は雇用環境・均等部(室)になります。九州でいえば福岡労働局・佐賀労働局・長崎労働局・熊本労働局・大分労働局・宮崎労働局・鹿児島労働局・沖縄労働局のいずれかです。

Q&Aから見つかった実務上の注意点

福田
ここまでの説明の中にもいくつか出てきましたが、とくに間違えやすい点を改めて整理してもらえますか。
白石みなと
3点にまとめます。

1つめ。「介護」の範囲は法律どおりで、社内ルールでは広げられません。歩行・排泄・食事・入浴等の日常生活の便宜供与が「介護」であり、話し相手や電話での安否確認だけでは対象になりません。就業規則で対象家族や要介護状態の範囲を独自に広げている会社でも、助成金の対象になるのは法律が定める範囲内だけです。

2つめ。複数の家族を介護していても、日数は家族ごとに数えます。父と母を同時に介護し、短時間勤務をそれぞれ10日ずつ、合計20日利用しても、[2]介護両立支援制度の「合計20日間」という要件は対象家族1人単位で判定されるため、合算では満たせません。

3つめ。要介護状態を確認する書類は、原則として必要です。従業員からの口頭申告だけで介護休業として運用している会社でも、助成金の申請には、介護保険被保険者証の写しや医師等の証明書といった、要介護状態を確認できる書類が必要です。公的な証明書類の提出が難しい事情があるときは、労働者・事業主双方が経緯や理由を記載した申立書で代替できるとされていますが、何も無い状態では申請できません。

公式情報・問い合わせ先

福田
問い合わせ先を教えてください。
白石みなと
資料にはこう案内されています。
項目 内容
申請先 本社等の所在地を管轄する都道府県労働局(雇用環境・均等部)
福田
最後に、正確な情報はどこで確認できますか。
白石みなと
厚生労働省が公開している2026(令和8)年度版の「両立支援等助成金 支給申請の手引き」、および令和8年4月8日改正の雇用関係助成金支給要領(介護離職防止支援コース)が出典です。

https://www.mhlw.go.jp/content/001716063.pdf

福田
ありがとうございました。
白石みなと
本記事は厚生労働省が公開している2026(令和8)年度版の「両立支援等助成金 支給申請の手引き」、および同コースの支給要領・Q&Aをもとにしています。制度の内容・要件・支給額は年度によって改定されることがありますので、申請前には必ず最新の資料をご確認ください。

なお、対象になり得るかどうかは事業主ごとの介護休業・両立支援制度の運用状況によって個別の判断になりますので、「対象です」と断定はできません。また、本助成金の支給申請書の作成代行・提出代行は社会保険労務士の独占業務です。当方では申請書の作成・提出の代行は行っておりません。制度情報の提供と、必要に応じた社会保険労務士のご紹介までとさせていただきます。

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この記事は「両立支援等助成金」6コースのうちの1つです。他の5コースと見比べたい場合は、両立支援等助成金の6コースを比較する をご覧ください。

白石みなと
いずれも同じ両立支援等助成金のコースですが、対象になる要件はこの制度とはそれぞれ異なります。対象になり得るかは、各制度のページで個別にご確認ください。併給の可否も各制度の実施機関にご確認ください。
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