九州AIナビ

両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)とは?制度を3つ以上入れる

両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)とは?制度を3つ以上入れる

制度概要

対象地域
全国
主な対象者
全国の中小企業事業主のうち、育児を行う労働者向けにフレックスタイムやテレワークなど柔軟な働き方の制度を3つ以上導入して労働者に利用させた事業主、または子の看護等休暇を法定を上回る内容で有給化して労働者に利用させた事業主

対象となる可能性がある事業者の例です。詳細な要件は本文および公式ページでご確認ください。

補助率
定額。詳細は本文参照
上限額
67万円(詳細は本文参照)
申請期限
データなし

公開日 2026-09-11 / 最終更新日 2026-09-11 / 情報確認日 2026-09-11 / 公式ページを見る

この助成金の結論

福田(聞き手)
白石さん、今回は「両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)」です。名前だけだと何をする制度か想像しにくいのですが、どんな助成金ですか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
はい。支給要領の趣旨にはこう書かれています。働き続けながら子の養育を行う労働者の雇用の継続を図るため、子が3歳以降小学校就学前までの労働者の柔軟な働き方を可能とする制度を3つ以上導入し、制度の利用者を支援する取組を行った中小企業事業主や、子の看護等休暇制度を有給化する等した中小企業事業主に、助成金を支給する制度です。助成のパターンは2つに分かれます。まず全体像を表にします。
項目 内容
制度名 両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)
実施機関 厚生労働省
助成パターン [1]柔軟な働き方選択制度/[2]子の看護等休暇制度有給化支援
対象事業主 中小企業事業主のみ
対象業種 全業種
対象地域 全国
上限額 67万円(加算をすべて満たした場合。内訳は本文参照)
受付期間 通年。個々の利用実績に応じて申請時期が決まり、一律の公募締切はありません
福田
2つのパターンというのは、どちらか一方を選ぶということですか。
白石みなと
選ぶというより、取り組んだ内容に応じて対象になるかどうかが決まる、と考えるのが正確です。[1]は柔軟な働き方の制度を複数導入して労働者に使わせた場合、[2]は子の看護等休暇を法律を上回る内容で有給化して労働者に使わせた場合です。両方に取り組めば、両方とも申請できます。加えて、3種類の加算もあります。この記事では、とくに[2]の子の看護等休暇制度有給化支援について、厚生労働省の支給要領から詳しい支給要件を確認していきます。

対象になる事業者

福田
対象になる会社の条件を教えてください。
白石みなと
支給対象は、中小企業事業主のみです。支給要領には「共通要領0502に定める中小企業事業主の判定は、支給申請日の属する月の初日における資本金等の額又は企業全体で常時雇用する労働者の数により行う」とあります。つまり、資本金等の額か常時雇用する労働者の数、どちらかの基準を満たせば中小企業事業主に該当します。
福田
具体的に、資本金いくらまで、労働者何人までなら中小企業になるんですか。
白石みなと
そこは今回確認した支給要領・Q&Aの範囲には、業種ごとの具体的な基準表が記載されておらず、確認できませんでした。基準そのものは「共通要領0502」という別の文書に定められています。同じ両立支援等助成金の他コースをまとめた両立支援等助成金の6コースを比較するに業種別の基準表を掲載していますので、そちらもあわせてご確認いただくか、労働局へ直接お問い合わせください。
福田
自分の会社がどちらに当たるかは、先に確認したほうがよさそうですね。
白石みなと
そのとおりです。中小企業事業主に該当しなければ、このコースはそもそも対象外になります。

もう1つ、共通の土台になる要件があります。支給要領0301には、中小企業事業主であることに加えて、育児休業の制度と育児のための短時間勤務制度を、労働協約または就業規則にきちんと規定していること、そして一般事業主行動計画を策定して労働局長に届け出て、公表・周知していることの2つが、[1][2]共通の前提として置かれています。

福田
「規定している」というのは、どの程度まで書けばいいんですか。
白石みなと
単に「育児・介護休業法に準拠する」と書くだけでは足りません。支給要領は、そのような準拠規定だけでは「当該制度を規定しているとは判断しない」と明記しています。育児休業や短時間勤務の内容を、就業規則自体に具体的に書き込んでおく必要があり、その規定は支給申請日において施行されている育児・介護休業法の水準を満たしていることも必要です。一般事業主行動計画についても、届け出て終わりではなく、申請時点で有効なものであること、公表し労働者に周知していることまで求められます(プラチナくるみん認定を受けている事業主は、この行動計画の届出要件そのものが適用除外になります)。

なお、助成金は事業主単位で支給するものであり、事業所単位ではありません。法人または個人が複数の事業・事業所を営んでいる場合でも、その法人・個人を1事業主として扱います。

「柔軟な働き方選択制度」として認められる5つの制度

福田
[1]の「柔軟な働き方選択制度」というのは、具体的にどんな制度を指すんですか。
白石みなと
支給要領が認めているのは、次の5つです。表にします。
区分 制度名 内容の骨子
①(ⅰ) フレックスタイム制度 労働者の申出により利用でき、清算期間における総労働時間(所定労働時間)を短縮せずに利用できる制度
①(ⅱ) 時差出勤制度 1日の所定労働時間を変更することなく、始業または終業時刻を1時間以上繰り上げ・繰り下げる制度
② 育児のためのテレワーク等 週または月当たりの勤務日の半数以上利用でき、所定労働時間を変更せず、時間単位で始業または終業時刻と連続する形で利用でき、自宅のほか事業主が認めればサテライトオフィス等も対象にできる制度
③ 柔軟な働き方を実現するための短時間勤務制度 1日の所定労働時間を平均1時間以上短縮する制度。原則6時間とする措置のほか、5時間・7時間・曜日固定・週休3日などから選べる制度も可
④ 保育サービスの手配及び費用補助 労働者の子の保育サービスを手配し、費用の全部または一部を補助する制度。所定労働時間を変更せず利用できるものに限り、認可保育所等の恒常的な保育は対象外
⑤ 養育両立支援休暇制度 有給の休暇(年休を取得した場合と同等の賃金)。年10労働日以上付与、時間単位(時間未満単位も可)で始業・終業と連続しない形で取得でき、年次有給休暇・子の看護等休暇とは別枠の制度
福田
①が(ⅰ)(ⅱ)の2段になっているのが気になります。
白石みなと
ここが数え方の落とし穴です。①(ⅰ)フレックスタイム制度と①(ⅱ)時差出勤制度は、支給要領上「始業時刻等の変更」という1つの区分にまとめられています。どちらか一方だけを導入しても、両方を導入しても、1制度としてしか数えません。5つのうち3つ以上、というときの「3つ」に、フレックスと時差出勤を別々に数えて2つ分にすることはできない、ということです。
福田
5つのうちどれを選ぶかは、会社の自由ですか。
白石みなと
自由です。ただし、子が3歳以降小学校就学前までの労働者が利用できる制度として設ける必要があります。加えて、③の短時間勤務制度には特有の注意点があります。③だけは、子が3歳に満たない労働者が利用しても助成金の対象になりません。他の4つは、会社の規定で3歳未満の子を持つ労働者にも対象を広げていれば、その利用分も助成金の対象になり得るのですが、③だけはこの拡張が効きません。

[1]柔軟な働き方選択制度の支給要件

福田
実際にお金が出るまでに、会社は何をする必要がありますか。
白石みなと
支給要領は7つの要件(イ〜ト)を示しています。とくにイ・ロ・ハの3つは、対象労働者の制度利用開始日の「前日まで」に済ませておく必要があるという順番が重要です。
# 要件 内容
イ 制度の規定 3つ以上の柔軟な働き方選択制度の内容・利用手続を、労働協約または就業規則に規定していること(利用開始日の前日まで)
ロ 方針の周知 「育児に係る柔軟な働き方支援プラン」により制度利用とキャリア形成を支援する方針を、労働協約・就業規則への規定や文書であらかじめ全労働者へ周知していること(利用開始日の前日まで)
ハ 面談とプラン作成 対象労働者の上司または人事労務担当者が面談を実施して「面談シート」に記録し、結果を踏まえて対象労働者ごとの「プラン」を作成すること(利用開始日の前日まで)
ニ 利用実績 制度利用開始日から6か月以内に、下記の基準以上、実際に制度を利用したこと
へ 待遇の維持 利用開始日から6か月の期間中、雇用形態・給与形態の不合理な変更を行っていないこと
ト 継続雇用 利用開始日から6か月の期間中および支給申請日において、雇用保険被保険者として雇用していること
福田
ロとハは何が違うんですか。似ているように見えます。
白石みなと
対象の広さが違います。ロは「うちはこういう方針で制度利用とキャリア形成を支援します」という会社全体の方針を、全労働者に向けて周知するものです。ハは、実際に制度を使うその人個人について面談し、その人のためのプランを作る、という個別の実務です。ロは周知、ハは個別対応、と分けて覚えてください。
福田
ニの「利用実績」は、具体的にどれくらい使えば認められるんですか。
白石みなと
制度ごとに基準が決まっています。表にします。
制度 利用実績の基準(利用開始日から6か月以内)
フレックスタイム制度 所定労働日ベースで合計20日間以上(育児のための利用と確認できない日は算定しない。プラン策定時点で既にフレックスが適用されている者は対象外)
時差出勤制度 所定労働日ベースで合計20日間以上(始業・終業を繰り上げた日は所定終業時刻から30分以上経過して退勤していないこと、繰り下げた日は所定始業時刻より30分以上早く出勤していないことが条件)
育児のためのテレワーク等 所定労働日ベースで合計20日間以上(業務日報等で勤務実態が確認できること。利用開始前1か月間に、通算5回以上または所定労働日数の2割以上の期間、テレワーク等を行っていないことが必要)
短時間勤務制度 所定労働日ベースで合計20日間以上(利用開始前1か月に同制度を利用していないこと。基本給等の水準が利用前を下回らないこと。無期雇用からの雇用形態変更をしていないこと)
保育サービスの手配・費用補助 利用開始から6か月の間に、労働者負担額の5割相当以上(事業主負担が3万円以上であること)または10万円以上を補助
養育両立支援休暇制度 利用開始から6か月の間に20時間以上(配偶者が同一事業主に雇用され同じ休暇を取得している場合は、合算して20時間以上とすることも可能)
福田
出退勤の記録は何で確認するんでしょうか。タイムカードが無い会社もありそうです。
白石みなと
そこは要注意です。保育サービスと養育両立支援休暇制度を除き、出勤簿の押印のみで出退勤管理をしている場合など、出退勤時間がタイムカードや出退勤記録簿等の書面で確認できない場合は支給対象になりません。また、裁量労働制や高度プロフェッショナル制が適用されている労働者は、利用できる制度がテレワーク・保育サービス・養育両立支援休暇制度に限られます。短時間勤務制度は裁量労働制適用者も対象になりますが、フレックスタイム制度と時差出勤制度は対象外です。
福田
パート社員を対象から外す、というような就業規則は作れますか。
白石みなと
基本的に作れません。パートタイム労働者を一律に柔軟な働き方選択制度の対象から除外する規定は、一般的に合理的な理由があるとは認められず、支給対象外と判断されます。ただし、運転手に対するテレワークのように、職種や配置から見てそもそも制度を利用できないことがあらかじめ想定できる場合は、その制度を「導入した制度の数」としてカウントできない、という別の扱いになります。「対象から除外する規定を作る」のと「そもそも性質上使えない制度がある」のとでは、支給要件上の扱いが違う、と覚えておいてください。

[2]子の看護等休暇制度有給化支援の支給要件

福田
ここからが今日いちばん聞きたいところです。子の看護等休暇を有給にする、というのはどんな要件になりますか。
白石みなと
支給要領の0300b・0301b・0302bに定めがあります。まず対象になる事業主の枠組みからです。中小企業事業主であることに加えて、除外される事業主が2パターン示されています。
# 除外される事業主
1 令和5年度以前の育児休業等支援コースの職場復帰後支援における「子の看護休暇制度」を、すでに受給済みの中小企業事業主
2 法を上回る子の看護休暇を導入し、「柔軟な働き方選択制度」の助成金をすでに受給済みの中小企業事業主
福田
自社に当てはまらないか、まず確認する必要がありますね。次に、有給化する休暇制度そのものの要件を教えてください。
白石みなと
支給要領は、法定の子の看護等休暇を上回る措置として、次の4つすべてに該当する制度を求めています。
# 要件
(イ) 有給の休暇であること(年次有給休暇として与えられるものを除き、年休を取得した場合と同等の賃金が支払われるもの)
(ロ) 一の年度において10労働日以上が付与されるものであること
(ハ) 時間を単位として(時間未満単位も可)取得できる制度であること(始業の時刻から連続せず、かつ終業の時刻まで連続しない時間単位での取得を認める制度)
(ニ) 1日の所定労働時間を変更することなく利用できるものであること
福田
これを規定すれば、それだけで支給対象になりますか。
白石みなと
なりません。ここが今回いちばんお伝えしたいポイントです。支給要領には、この4要件に該当する制度の内容・利用手続を、「令和8年4月8日以降」に労働協約または就業規則に規定したこと、という日付の条件が明記されています。加えて、この4要件を満たす前の、法定どおりの子の看護等休暇の規定そのものが確認できなければ、支給対象にはなりません。
福田
つまり、もともと法律どおりの看護休暇しか無かった会社が、新しく有給化して初めて対象になる、ということですか。
白石みなと
そのとおりです。しかも、この点はコースのQ&A(令和8年度)にもはっきり書かれています。「従前(令和7年4月)から、子の看護等休暇について年休と同様に有給としていた場合でも、現在の支給対象となるか」という質問に対し、回答は「支給対象とはならない」です。すでに現在の支給要件に合致する制度を独自に整えていた会社は、対象外になります。有給ではあっても付与日数が少ないなど、現在の要件に届いていない制度を、新たに要件に合う内容へ改正する場合にかぎり、対象になり得ます。先に良い制度を作っていた会社ほど、このコースでは損をする、という逆説的な構造です。
福田
規定を作っただけでは足りない、ということもあるんですか。
白石みなと
あります。もう1つの支給要件(ロ)は、利用実績です。支給申請日において、この制度を、9歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある子について、10時間以上利用した被保険者が在籍していることが必要です(複数の子に係る取得時間の合算や、配偶者が同一事業主に雇用され同じ休暇を取得している場合の合算も認められています)。同じQ&Aには、「子育て世代の労働者がいないため制度利用の見込みが無いが、規定だけ整備すれば対象になるか」という質問があり、回答は「対象とならない」。制度対象となり得る子がいる労働者を雇用しており、その労働者が実際に10時間以上利用していることが必要、と明記されています。規定を作るだけでは半分、実際に使われて初めて対象になる制度です。
福田
「有給にするのは今年度だけ」というような期間限定の制度でもいいですか。
白石みなと
それも対象外です。Q&Aには、「有給は令和〇年〇月〇日取得分まで」のような時限措置を設けた場合について、「対象とならない」と明記されています。理由は、仕事と育児・介護等を両立しやすい環境整備のための助成金という趣旨に照らして、時限を設けることが適切でないため、とされています。恒久的な制度として規定する必要がある、と理解してください。
福田
手続きの面でも、[1]と違うところはありますか。
白石みなと
あります。[2]の申請には、[1]にあった面談シートやプランの作成は求められていません。その代わり、制度導入を行った事業所の労働協約または就業規則について、改正前と改正後の両方を添付する必要があります。有給化する前の規定と、有給化した後の規定の両方を示して、法定を上回る内容に変わったことを確認する、という組み立てです。

支給額の内訳

福田
金額の全体像を整理してください。
白石みなと
基本額と3つの加算に分かれます。表にします。
支給の種類 支給額 対象・上限
[1]柔軟な働き方選択制度(3制度導入) 制度利用者1人当たり20万円 1中小企業事業主あたり、[1]の2区分を合わせて5人まで
[1]柔軟な働き方選択制度(4制度以上導入) 制度利用者1人当たり25万円 同上
[2]子の看護等休暇制度有給化支援 1事業主当たり30万円 同一事業主について1回限り
制度利用期間延長加算 1事業主当たり20万円を加算 同一事業主についていずれか1回限り。[1]または[2]に加算
障害児等要配慮支援加算 1事業主当たり20万円を加算 同一事業主についていずれか1回限り。[1]または[2]に加算
育児休業等に関する情報公表加算 1事業主当たり2万円を加算 同一事業主についていずれか1回限り。[1]または[2]に加算
福田
上限の67万円というのは、どの組み合わせで出る数字ですか。
白石みなと
[1]を4制度以上導入して25万円、そこに3つの加算(20万円+20万円+2万円)をすべて乗せた合計です。25万円+20万円+20万円+2万円=67万円になります。
福田
基本額と加算とで、性質が違うように見えます。
白石みなと
そこは誤解しやすいところです。基本額の20万円・25万円は利用者1人ごとに、最大5人ぶんまで積み上がる金額です。一方、3つの加算はいずれも事業主単位で1回きりです。利用者が2人、3人と増えても、加算部分が2倍、3倍になることはありません。また、加算だけを単独で受け取ることはできません。[1]または[2]の本体部分が支給決定して初めて、加算も支給される仕組みです。
福田
加算にも、対象から外れる制度があるんですか。
白石みなと
あります。制度利用期間延長加算と障害児等要配慮支援加算は、どちらも「導入している柔軟な働き方選択制度の全て」について要件を満たす必要がありますが、④保育サービスの手配及び費用補助だけは、この「全て」の対象から除かれています。保育サービス以外の制度について、対象年齢の拡大などの要件を満たせば加算の対象になる、という組み立てです。

申請の時期・申請先

福田
申請するタイミングを教えてください。[1]と[2]で違いますか。
白石みなと
違います。表にします。
助成パターン 申請できる時期
[1]柔軟な働き方選択制度 対象労働者の制度利用開始日から起算して6か月を経過する日の翌日から2か月以内
[2]子の看護等休暇制度有給化支援 制度を利用した被保険者の利用時間数が10時間に達した日の翌日から起算して2か月以内
福田
どちらも「〇〇から2か月以内」なんですね。締切日という形では出てこない。
白石みなと
そのとおりです。この助成金には、jGrantsのような一律の公募締切日はありません。利用が始まった日、または利用時間が基準に達した日を起点に、その都度申請期限が決まります。育休が終わってから慌てて調べ始めると、期限を過ぎている可能性があります。対象になりそうな労働者が出た時点で、利用開始日や利用時間の積み上げを記録しておくことをおすすめします。
福田
どこに申請すればいいですか。
白石みなと
人事労務管理の機能を持つ部署が属する事業所(本社等)の所在地を管轄する労働局長です。九州でいえば福岡労働局・佐賀労働局・長崎労働局・熊本労働局・大分労働局・宮崎労働局・鹿児島労働局・沖縄労働局のいずれかになります。窓口は雇用環境・均等部(室)です。なお、3つの加算は、[1]または[2]の申請書類の提出と同時に、それぞれ別の様式で申請する形になっています。

Q&Aから見つかった実務上の注意点

福田
ここまでの説明のほかに、事務局へのQ&Aで見つかった気をつけるべき点があれば教えてください。
白石みなと
3つ、とくに実務でつまずきやすい点を挙げます。

1つめ。[1]は「既にある制度」でもよいのに、[2]は「新しく作った制度」でないといけません。コースのQ&Aは、[1]柔軟な働き方選択制度について「従前から支給要件を満たす制度を導入している事業主も対象となるか」という質問に、「対象となる。本コースでは、制度を新規に導入することが支給要件というわけではない」と回答しています。ところが[2]子の看護等休暇制度有給化支援は逆で、令和7年4月時点ですでに年休と同様の有給化を独自に行っていた会社について、Q&Aは「支給対象とはならない」と明言しています。同じコースの中に、新規導入を問わないパターンと、新規導入必須のパターンが両方あるので、混同しないでください。

2つめ。加算は「全部乗せ」が原則です。制度利用期間延長加算・障害児等要配慮支援加算は、保育サービスを除く導入済みの制度すべてについて対象年齢を広げないと支給されません。コースのQ&Aでも、「中学校修了前までの利用期間の延長は、導入している制度のうち1種類だけでも対象になるか」という質問に、「対象とならない」と明確に回答されています。「対象労働者のニーズに応じて1種類だけ延長する」という運用は、善意であっても加算の対象外になります。加算を狙うのであれば、導入している制度全体を見直す前提で計画してください。

3つめ。フレックスタイム制度と時差出勤制度を、別々の2制度として数えてしまう間違いです。支給要領上はこの2つをまとめて「始業時刻等の変更」という1区分として扱うため、両方を導入していても1つ分にしかなりません。5つのうち3つ以上という要件を満たすには、この2つ以外から少なくとも2つを追加で導入する必要があります。

公式情報・問い合わせ先

福田
問い合わせ先を教えてください。
白石みなと
支給申請書の提出先は、本社等の所在地を管轄する労働局長です。制度の詳しい内容や、自社が対象になるかどうかの相談は、事業所を管轄する都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)へお問い合わせください。
福田
最後に、正確な情報はどこで確認できますか。
白石みなと
厚生労働省が公開している2026(令和8)年度版の「両立支援等助成金 支給申請の手引き」が出典です。この記事の詳細な支給要件は、同時に公開されている支給要領(令和8年4月8日時点版)、柔軟な働き方選択制度等支援コースのQ&A(2026年度)、両立支援等助成金の共通事項Q&A(2026年度版)から確認しました。いずれも令和8年4月8日時点で版がそろっています。

https://www.mhlw.go.jp/content/001716063.pdf

福田
ありがとうございました。
白石みなと
本記事は厚生労働省が公開している支給要領・Q&A(いずれも令和8年4月8日時点版)をもとにしています。制度の内容・要件・支給額は年度によって改定されることがありますので、申請前には必ず最新の資料をご確認ください。

なお、対象になり得るかどうかは事業主ごとの就業規則の整備状況や制度利用の実績によって個別の判断になりますので、「対象です」と断定はできません。また、本助成金の支給申請書の作成代行・提出代行は社会保険労務士の独占業務です。当方では申請書の作成・提出の代行は行っておりません。制度情報の提供と、必要に応じた社会保険労務士のご紹介までとさせていただきます。

あなたの会社に合う補助金を探してみませんか

この記事は「両立支援等助成金」6コースのうちの1つです。他の5コースと見比べたい場合は、両立支援等助成金の6コースを比較する をご覧ください。

白石みなと
いずれも同じ両立支援等助成金の他コースですが、対象になる要件はこの制度とはそれぞれ異なります。対象になり得るかは、各制度のページで個別にご確認ください。併給の可否は各制度の実施機関にご確認ください。
制度名 リンク
両立支援等助成金(育休中等業務代替支援コース) 記事を読む
両立支援等助成金(出生時両立支援コース〈子育てパパ支援助成金〉) 記事を読む
両立支援等助成金(介護離職防止支援コース) 記事を読む
両立支援等助成金(育児休業等支援コース) 記事を読む
両立支援等助成金(不妊治療及び女性の健康課題対応両立支援コース) 記事を読む

補助金・助成金は、国・県・市町村がそれぞれ別に用意していて、目的も金額も締切もばらばらです。九州AIナビでは、気になる条件を登録しておくと、新着の補助金があった日にメールでお知らせする通知機能をご用意しています。まずはご自身の条件で登録してみてください。

両立支援等助成金(柔軟な働き方選択制度等支援コース)のデータを見る →公式ページを見る →

次の公募を見逃さないために

補助金・助成金は年度ごとに公募が入れ替わります。貴社の条件(所在地・従業員数・制度の種類)をご登録いただくと、 条件に合う制度が新たに掲載された日に、メールでお知らせします。該当する制度がない日は配信いたしません。

自社に合う補助金をメールで受取る

関連記事

扱っている地域か分野が共通する記事です。