障害者雇用相談援助助成金とは?認定事業者が相談援助すると最大80万円

制度概要
- 対象地域
- 全国
- 主な対象者
- 都道府県労働局長の認定を受け、法定雇用率未達成の企業(利用事業主)に障害者雇用相談援助事業を行う事業者(業種不問)
- 補助率
- 定額:①相談援助事業の実施につき1社80万円(中小企業事業主または除外率設定業種事業主)または60万円(それ以外)、一の利用事業主への支援につき1回限り。②対象障害者の雇入れ・6か月以上の雇用継続につき1人10万円(中小企業事業主等)または7万5千円(それ以外)、4人まで
- 上限額
- 120万円
- 申請期限
- データなし
対象となる可能性がある事業者の例です。詳細な要件は本文および公式ページでご確認ください。
公開日 2026-08-26 / 最終更新日 2026-08-26 / 情報確認日 2026-08-26 / 公式ページを見る
この補助金の結論
福田(聞き手)
白石さん、今日は「障害者雇用相談援助助成金」について教えてください。障害者雇用に関する助成金というのは初めて聞くのですが、どんな制度ですか。
白石みなと(補助金活用アドバイザー)
はい。この助成金は、都道府県労働局長から認定を受けた事業者(対象事業者)が、法定雇用率を達成できていない企業などに対して、障害者の雇入れとその雇用継続を図るための一連の雇用管理に関する援助(障害者雇用相談援助事業)を行った場合に、その対象事業者へ支給される制度です。令和6年4月に創設された、比較的新しい助成金です。
福田
「対象事業者」というのがポイントなんですね。助成金をもらうのは、障害者を雇う会社ではないということですか。
白石みなと
そのとおりです。助成金は認定を受けた対象事業者に支給され、相談援助を受けた企業(利用事業主)に直接支給されるものではありません。この制度は、障害者雇用のコンサルティングを行う事業者向けの助成金だと、まず押さえていただくのがよいと思います。業種を問わず「都道府県労働局長の認定」を受けていれば対象事業者になり得ますが、その認定を受けるための具体的な手続きについては今回の資料には記載がありませんでした。認定の申請方法を検討されている場合は、事業所を管轄する都道府県労働局に直接ご確認いただくのがよいと思います。
福田
なるほど。まず制度の全体像を教えてください。
白石みなと
表にまとめます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 障害者雇用相談援助助成金 |
| 実施機関 | 厚生労働省(運営:独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構〈JEED〉) |
| 対象地域 | 全国 |
| 対象業種 | 全業種 |
| 創設時期 | 令和6年4月 |
| 上限額 | 120万円 |
対象になる事業者
福田
「対象事業者」になるには、どんな要件が必要なんですか。
白石みなと
主たる事業所の住所地を管轄する都道府県労働局長の認定を受けていて、対象障害者の雇入れとその雇用継続を図るために必要な一連の雇用管理に関する援助(障害者雇用相談援助事業)を行う事業者であることが要件です。なお、認定を取り消された場合は対象事業者の要件を満たさなくなります。
福田
支援を受ける側の「利用事業主」にも条件があるんですか。
白石みなと
はい。障害者雇用相談援助事業計画書に記載された計画期間中に対象障害者を雇用しようとする事業主で、障害者雇用に関するノウハウが不足していること等により、雇用する対象障害者の数が法定雇用率で算定される数に満たない事業主が対象です。ただし、常用雇用労働者40人未満の事業主は、原則として利用事業主となることはできません。
福田
2つの立場を表で整理してもらえますか。
白石みなと
まとめるとこうなります。
| 立場 | 要件 |
|---|---|
| 対象事業者(助成金の申請者) | 都道府県労働局長の認定を受けた、障害者雇用相談援助事業を行う事業者 |
| 利用事業主(相談援助を受ける側) | 法定雇用率未達成の事業主等。常用雇用労働者40人未満は原則対象外 |
支給対象になる相談援助の内容
福田
実際にどんな相談援助を行うと支給対象になるんですか。
白石みなと
対象事業者が利用事業主の了承を得たうえで作成した事業計画に基づき、公共職業安定所(ハローワーク)への求人の申込み前までに一連の支援を行い、その支援が実際に求人の申込みにつながったものが支給対象です。支援内容は8項目に分かれています。
福田
8項目を教えてください。
白石みなと
資料の記載順に表にします。
| # | 支援内容 |
|---|---|
| イ | 経営陣の理解促進(法の趣旨や障害者雇用を通じた経営改善についての理解促進) |
| ロ | 障害者雇用推進体制の構築(担当者の明確化、組織的な推進体制の構築) |
| ハ | 企業内での障害者雇用の理解促進(方針・メリット・合理的配慮についての現場理解促進) |
| ニ | 企業内における職務の創出・選定 |
| ホ | 採用・雇用方針の決定 |
| ヘ | 求人の申込みに向けた準備や採用活動の準備 |
| ト | 企業内の支援体制等の環境整備 |
| チ | 採用後の雇用管理や職場定着等 |
福田
最初の「イ」と最後の「チ」を具体的に教えてもらえますか。
白石みなと
イの「経営陣の理解促進」は、経営や人材活用の方針の決定権をもつ経営陣に対して、法の趣旨や障害者雇用を通じた経営改善について理解促進を図ること、と説明されています。現場だけでなく、まず経営トップの理解から働きかける支援です。チの「採用後の雇用管理や職場定着等」は、採用後における業務・作業環境・職場の人間関係等、職場適応上の課題把握や予防、解決のための仕組みや体制づくりを行うこと、そして中長期的な活躍も視野に、キャリアアップの仕組みづくりを行うこと、とされています。採用して終わりではなく、その後の定着まで見据えた支援内容です。
福田
これを全部やらないといけないんですか。オンラインでの支援でも大丈夫ですか。
白石みなと
利用事業主が既にノウハウを有する項目については支援を省略できますが、イからチまでの全項目に関する支援を省略することはできません。どれか1つは必ず扱う必要があります。支援方法については、情報通信機器を使用した支援(オンライン面談等)を行うことは可能とされていますが、1回以上、訪問による支援を行うことが必要です。オンラインだけで完結させることはできません。
補助率と上限額
福田
支給額について詳しく教えてください。まず①の相談援助事業の実施分から。
白石みなと
①は、利用事業主が中小企業事業主または除外率設定業種事業主の場合は1社あたり80万円、それ以外の事業主の場合は1社あたり60万円です。一の利用事業主への支援につき1回限りで、複数の事業所がある場合でも1回限りとされています。
福田
②の雇入れのほうはどうですか。
白石みなと
②は対象障害者の雇入れおよび6か月以上の雇用継続が要件で、利用事業主が中小企業事業主等の場合は対象障害者1人につき10万円、それ以外の場合は7万5千円です。対象障害者4人までが上限とされています。
福田
表で整理してもらえますか。
白石みなと
まとめるとこうです。
| 区分 | 中小企業事業主・除外率設定業種事業主 | それ以外 |
|---|---|---|
| ①相談援助事業の実施(1社1回限り) | 80万円 | 60万円 |
| ②対象障害者の雇入れ・6か月以上の雇用継続(1人あたり、4人まで) | 10万円 | 7万5千円 |
福田
①と②は別々の条件で支給されるんですか。それと「除外率設定業種事業主」という言葉も聞き慣れないのですが。
白石みなと
まず①と②は分けて考える必要があります。①は相談援助を行い、それが求人の申込みにつながった実績に対する支給で、支援した利用事業主1社につき1回限りです。②はそれに加えて、実際に対象障害者を雇入れ、6か月以上の雇用継続を行ったことが条件になる、独立した支給です。除外率設定業種事業主については、資料ではこの言葉自体の説明までは記載がなく、中小企業事業主または除外率設定業種事業主に該当するかどうかで支給額が変わる、とだけ示されています。自社が該当するかどうかは、事業所を管轄する労働局にご確認いただくのが確実です。
福田
最大でいくらもらえる計算になりますか。
白石みなと
中小企業事業主等の場合で試算すると、①の80万円に、②を上限の4人分(1人10万円×4人分)を足すと、1つの利用事業主への支援で合計120万円が上限になります。これがこの制度の上限額です。
福田
年間で何件でも申請できるんですか。
白石みなと
そこには上限があります。対象事業者における1人の事業実施者あたり年間30件が上限とされています。多数の利用事業主を同時に支援する場合は、この件数の範囲内で計画する必要があります。資料の表現をそのまま読むと、事業を実施する人単位でカウントする仕組みだと読み取れますが、複数の担当者を置く場合の具体的な扱いまでは資料に明記されていないため、実務上の疑問はJEEDの都道府県支部に個別にご確認いただくのがよいと思います。
補助対象経費ではなく定額支給という仕組み
福田
これまでの話を聞くと、機器やソフトウェアの購入費用を助成する制度ではなさそうですね。
白石みなと
そのとおりです。資料には、機器・設備・ソフトウェア等の購入費用や訓練費を実費で助成する仕組みではなく、対象事業者が行った「相談援助(コンサルティング)」という専門サービスの実施実績と、それを通じた対象障害者の雇入れ・雇用継続の実績に応じて、定額の助成金を支給する仕組みだと明記されています。対象経費の一覧や費用項目のような章、機器・ソフトウェア等の導入を想定した規定は存在しません。
福田
つまり、パソコンやシステムを導入する費用には使えない、ということですね。
白石みなと
そのように読めます。「情報通信機器を使用した支援」という記載はありますが、これはオンライン面談等の実施方法についての説明であり、機器そのものの導入・購入費用を助成する規定ではありません。
申請期限とスケジュール
福田
締切はいつになりますか。毎年決まった時期に応募する制度ではないんですか。
白石みなと
ここは他の補助金と大きく違う点です。認定申請書の提出期限は、事業計画を開始しようとする日から起算して1か月前までとされています。支給請求書の提出期限は支援の内容ごとに定められた期間(求人申込み月の翌々月末までなど)で、事業者ごとに個別に定まるため、jGrantsのような一律の公募締切日はありません。事業計画を開始したいタイミングに合わせて、その都度、認定申請と支給請求の期限が決まる仕組みで、計画を立てる際は、開始予定日の1か月前という認定申請の期限から逆算して準備を進める必要があります。
公式情報・問い合わせ先
福田
問い合わせ先を教えてください。
白石みなと
資料にはこう案内されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問合せ先 | 事業所の所在地を管轄する独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)都道府県支部 高齢・障害者業務課 |
福田
最後に、正確な情報はどこで確認できますか。
白石みなと
厚生労働省が公開している資料が出典です。
福田
ありがとうございました。
白石みなと
本記事は厚生労働省の公開資料をもとにしています。制度の内容・要件・支給額は変更されることがありますので、申請前には必ず最新の資料をご確認ください。
なお、対象になり得るかどうかは、対象事業者としての認定状況や利用事業主の要件充足状況によって個別の判断になりますので、「対象です」と断定はできません。また、本助成金に関する認定申請・支給請求手続きの代行は社会保険労務士の独占業務です。当方では申請書の作成・提出の代行は行っておりません。制度情報の提供と、必要に応じた社会保険労務士のご紹介までとさせていただきます。
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この制度は全国対象で特定の自治体に絞った制度ではないため、同一自治体の他制度は案内できませんでした。代わりに同じ厚生労働省の人材・雇用関連の助成金を紹介します。
白石みなと
対象になる要件はこの制度とそれぞれ異なります。対象になり得るかは各制度のページでご確認ください。併用の可否は実施機関にご確認ください。
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