DX・デジタル化の補助金はどう探す?3つの軸で自社に合う制度を見分ける
公開日 2026-09-04

結論から
自社の取り組みを、設備・システムの導入/人の育成/専門家への相談という3つの軸のどれに当てはまるかで整理すると、見るべき制度の絞り込みが早くなります。同じ「デジタル化したい」という思いでも、お金の使いみちが変われば探す先も変わる、という点がこの記事の中心です。
1. 「DX補助金」という名前の制度は無い
「DX」を掲げていない制度名の中にも、対象経費を見るとデジタル化に使えるものが少なくありません。逆に、名前に「DX」「デジタル」と入っていても、対象がハードウェアの入替えに限られていたり、特定の業種向けだったりすることもあります。制度名だけで判断せず、対象経費の欄を確認するのが遠回りに見えて確実です。当サイトではAI・デジタル化に使える制度から、対象経費にデジタル関連の記載がある制度をまとめて見られるようにしています。
2. 探す軸は3つ
- 設備・システムの導入……ソフトウェアの購入、クラウドサービスの利用、業務システムの構築など、道具そのものを入れる取り組み
- 人の育成……従業員にデジタルツールの使い方や、データの扱い方を身につけてもらう研修・訓練
- 専門家への相談……自社だけでは進め方が分からない場合に、外部の専門家に設計や指導を依頼する取り組み
同じ会社が同じ目的でデジタル化を進める場合でも、この3つのどれに当たるかで、見るべき制度も、窓口も変わります。まず自社の取り組みがこの3つのどれ、または組み合わせに当たるかを整理するところから始めると、探す範囲を絞り込めます。
3. 同じ取り組みでも、何にお金を使うかで見るべき制度が変わる
- 受注管理システムを新しく購入・導入するなら、設備・システム投資を対象にした補助金が候補になります(たとえば国のデジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)は、事務局に登録されたITツールの導入費用を補助の対象にしています)
- 導入したシステムを従業員が使いこなせるよう研修するなら、人材育成の助成金が候補になります
- 自社に合ったシステムの選び方や、業務フローの見直し方を外部の専門家に相談するなら、専門家活用・コンサルティングを対象にした制度が候補になります
一つの取り組みの中に、複数の経費の性格が混ざっていることも珍しくありません。その場合は、経費の項目ごとにどの制度が対象にしているかを分けて考える必要があります。「デジタル化」という大きな括りだけで一つの制度を探そうとすると、対象経費の書き方が制度ごとに違うため、かえって見つけにくくなります。
4. 国の制度と、県・市の独自制度は探し方が違う
一方、県や市区町村が独自に運営する制度は、その自治体に本社や事業所があることが条件になっていることが多く、内容も自治体ごとにばらつきがあります。国の制度のような横断検索の仕組みが整っていない自治体も多く、各自治体のサイトを一つずつ確認する必要が出てきます。地元の商工会議所・商工会や、自治体の産業振興の窓口に問い合わせると、その自治体独自の制度を教えてもらえることがあります。当サイトでも福岡県・熊本県・佐賀県・長崎県・鹿児島県の各ページから、地域ごとの制度を確認できます。
★窓口に行く順番が結果を左右する自治体もあります。たとえば福岡県では、商工会議所の経営指導を受けていることや、市の診断事業を利用していることを、申請より前の要件にしている制度があります。ツールの見積もりを先に取ると前段が間に合わないことがあるため、福岡の事業者の方は福岡でDXコンサルに相談できる窓口と、使える補助金の探し方もあわせてご覧ください。
5. コンサルティング費用が対象になるかは制度ごとに違う
設備投資を対象にした制度の中には、導入にあたっての専門家指導費を対象経費の一部として認めているものもあります。逆に、専門家への相談だけを目的にした制度でも、対象になる専門家の範囲が決まっていることがあります。「コンサルを頼めば何でも対象になる」わけではないため、狙っている制度の対象経費の欄を必ず確認してください。
6. 見つけたあとに最初に確認すべきこと
着手の順番……多くの制度で、交付が決まる前に発注・契約・支払いをしたものは対象から外れます。「良いシステムを見つけたので先に契約した」という順番では、対象にならない制度が少なくありません。見積りを取る段階から、その支出が対象になり得るかを確認しておくことが必要です。
募集の時期……通年で受け付けている制度もあれば、決まった期間だけ募集する制度もあります。募集していない時期に良い制度を見つけても、次の募集まで待つことになります。候補が見つかったら、まず「今、募集しているか」「次はいつ募集されるか」を確認してください。
この2点を先に確認しておくと、内容を読み込んでから「もう発注してしまっていた」「募集が終わっていた」と気づく手戻りを避けられます。
よくある質問
Q. 自社が「DXをしている」という自覚がなくても対象になり得ますか。 なり得ます。多くの制度は「DXへの取り組み」という言葉ではなく、対象経費(ソフトウェアの購入、システム構築費など)で判断されます。大がかりな変革でなくても、対象経費に当てはまる支出であれば対象になり得ます。
Q. 設備投資の補助金と、人材育成の助成金を同時に使えますか。 同じ経費に二重に受け取ることはできませんが、経費の性格が違えば組み合わせて使うことがあります。システムの導入は補助金、その使い方の研修は助成金、というように分けて考えるとよいでしょう。制度ごとに併用の可否が定められているので、募集要領で確認してください。
Q. 申請書の作成を代わりに頼めますか。 助成金の申請書の作成・提出の代行は、社会保険労務士の独占業務です。当サイトは制度の情報をお伝えするところまでで、代行は行いません。手続きそのものを相談したい場合は、社会保険労務士や、各県の労働局・ハローワークの窓口が入口になります。
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自社の取り組みに近い軸から、具体的な制度を探してみてください。
対象経費・上限額・締切は制度ごとに違い、年度によっても変わります。この記事に具体的な金額や日付を書いていないのはそのためです。申請の前には必ず、狙っている制度の最新の募集要領をご確認ください。